【表紙に4枚の図書整理票 上から順に】 部門 冊数 寄贈者 購入 番号 不鮮明 番号 類 部門 往来物 第6函の? 番号 713 寄贈 購入 TIAD 21 54 【書名紙片】 正徳六年万屋版 金 四円 金言童子教 【紙片下部印刷部分】 本郷区本郷三丁目帝大赤門前 會場赤門倶樂部 絶版古書籍陳列會場 書舗 木内誠 電話 小石川五五七三番 【右頁上段】  金言(きんげん)童子教(どうじきよう)序(じよ) 此書(このしよ)は古(いにしへ)の聖賢(せいけん)の語(ご)にて代〻(よゝ)人口(じんこう)に膾炙(くわいしや)せるを予(よ) 頑(げん)愚(ぐ)なりといへども諸書(しよ〳〵)の要語(ようご)を摘(つみ)年〻に拾(ひろ)ひ月〻に 集(あつ)め其句(そのく)ごとの上(うへ)に鄙言(ひごん)を以(もつ)て抄(しやう)し一書(いつしよ)となして家族(かぞく)の 幼童(ようどう)読書(どくしょ)の階梯(かいてい)にと与(あた)へけるを友(とも)なりし人の梓(し)に鏤(ちりば)め 世(よ)の幼童(ようどう)の便(たより)にもせよといへるにいなみがたく金言(きんげん)童子(どうじ) 教(けう)の名(な)を蒙(かふむ)らしめ書林(しよりん)に属(ぞく)しぬ古(いにしへ)より諸家(しよか)の著述(ちよじゆつ)多(おほ)し といへども要句(ようく)すくなし初学(しよがく)の幼童(ようどう)此書を得(ゑ)て聖賢(せいけん)を遠(とを)しと せず即(すなわち)今(いま)教(をしへ)を承(うけたまは)ると思(おも)ひ心腑(しんふ)に入(いれ)てよまば益(えき)を得(う)る事 多(おほ)からんか尤(もつとも)も一 句(く)をも私意(しい)よりいでたるにあらざれば愚編(ぐへん)也とて あえて■らんとする事なかれ  干時正徳六年丙申春正月日 《割書:此書に類して|童親對句抄と云書出来》勝田祐義編 印 【下段図中の会話】 せい だして おほへま せうぞ 【左頁 右上余白に図書整理番号】 TiA 21 54 【本文】 《割書:諸書要語|童蒙須知》金言童子教《割書:竝抄|》 【上段】 良薬はにがしともよく用ひぬれば やまひを治する徳ありにがきをきらひ もちひざれば良薬も益なし 【下段】 良薬雖(りやうやくはくちに)_レ苦(にかしと)_レ口(いへとも) 用(やまひに)_レ病必有(もちひてかならず)_レ利(りあり) 【上段】 人よりいさむる所の忠言はかならず耳に さかふものなれ共よく用ひて身に おこなひぬれば其身たゞしく成て徳也 【下段】 忠言雖(ちうけんはみみに)_レ逆(さかふと)_レ耳(いへとも) 行(みに)_レ身必有(おこないてかならすとく)_レ徳(あり) 【上段】 くすりを用てやまひをちする事をば 誰もしるといえとも学文をすればよく 身のおさまるといふことをしる人なし 【下段】 雖(くすりの)_レ知(やまひを)_二薬理(おさむるをしると)_一_レ病(いへども) 不(がくのみを)_レ知(おさ)_二学理(むるをしらす)_一_レ身 【上段】 せきへきは大きなる■【玉ヵ】也寸ゐんは少しの 間を云玉は■【時ヵ】との宝にあらす寸陰 を得たるをよろこびきおふて学すべしと也 【下段】 尺璧非(せきへきはたからに)_二於(あらす)寶_一 寸陰可(すんいんこれ)_二是競(きそふべし)_一 貧者(まずしきものハ)因(しょに)_レ書冨(よつてとむ) 冨者(とめるものハ)因(しょに)_レ書貴(よつてたつとぶ)