抑々富士山は人皇六代 孝安天皇の御時一夜に あらはれたもふ御山に して其後やまと だけのみこと御山 をふみひらき 三国第一の 御がくをかく せたもふまつ る神は木の花 さくやひめの尊 れいげんあらた なる事諸人しると ころなり六十一年目庚 申の年には男女とも登山 いたす当年 御ゑんねん の事なれば男女とも さんけいくんじゆ【群集】なす 当七月中旬いこく人 ふじ山へ登山いたしたき むね相願右いこく人ふじ 山とざんいたし候ところ 七合五勺めころに 相なりにはかにくも出る かと見へしが風ふき出しくもの中にてわれ こそは御山の中ころにある小みたけ石そんなり 御山は日本第一のあらたなる れいざんなりいじんは 登山すべからずはやく下ざんいたすべしと御こへ有し                             とかや