【右ページ】 《題:わが家に母あれ》 高杉 早苗 三浦 光子 坪内 美子 徳大寺 伸 主演 松竹大船特作 原作・森山 季子 監督・澁谷 實 別れた母を戀ふ 三人の娘の寂々たる哀 愁、母を呼ぶ聲に瞼を 閉ぢる父の橫顏に刻ま れた悲しみ! 微妙な愛情【忄+靑】の交流を描いた 新時代の家族愛篇‼ 十二月九日封切 希望に立つと同時 【左ページ】 ――近日封切―― 愛染かつら 田中絹代・上原謙・佐分利信 天津映畵舘 特別三區萬國橋北 電二-二三二三番 【右ページ上段】 《題:永遠の感激》 朝日新聞入選歌  皇軍大捷の歌 佐分利信 高峯三枝子 德大寺伸 笠智 衆【笠 智衆】 三浦光子 槇芙佐子 南部耕作 森川まゆみ 皇軍大捷 の影に織りなす 涙ぐましき骨肉愛の發露 ―――次週六日公開――― 【右ページ下段】 春待つ人々 飯田蝶子 河村黎吉 德大寺伸 東山光子 小林十九二 武田春郎 磯野秋雄 谷 麗光 昔は藝者、今はお針のお師匠さん、たつた一粒種の 君子を針一本の力で育て上げて來たお豊は近頃可愛 い君子に惡い蟲がつきさうなので、それが心配だつ た。電氣器具屋の長瀬、ミシン屋の若旦那隆夫がそ の惡い蟲共だつたが、お豊に感付かれる前から君子 と隆夫は良い仲だつた、お針のお弟子達や母親の眼 を盗んで、コツソリとしめし合はす合圖のサイン、 定めの場所へ二人が落ち逢つて、樂しいランデヴを する二人だつたお針のお師匠さんには、商賣柄初か ら蟲の好かないミシン屋、しかもその若旦那が君子 の愛人と分つてはお豊たるもの黙つちやゐられない ランデヴ最中の二人を引捕へて懲しめやうとするが すばしつこい二人は母親の手から逃れてドロンロン した。 【左開き 枠上外】 今週の映畫 十二月二日より 五日まで 【上段四角枠内右側】 菩薩の眉   脚本 中野龍二郎   撮影 森尾鐵郎   演出 大曾根辰夫  ・配役・ 卯之助    川浪良太郎 長吉     山路 義人 三右衛門   高松錦之助 剛蔵     堀  正夫 磯六     葉山純之輔 百助     日下部龍馬 勘太郎    岩井扇之助 治郎作    中村 吉松 鉛屋     尾上栄二郎 歯磨粉屋   廣田  昻 そばやの亭主 關   操 目明し秀吉  望月 伸光 蒲原つ仁平  中村政太郎 金蔵     山口 勝久 【下段】 梗概・・腕と度胸と男ツ振りの三拍子揃つた卯 之助は手なぐさみに作る張りこの虎がうまい處 から、張り子の卯之と云はれて近所界隈の女共 から騒がれてゐた 特に三右衛門親分の娘おし かとは相思の仲で、婿養子に望まれ楽しい日を 暮してゐた。だが、縄張りを争ふ剛蔵から二十 年前三右衛門と共に島破りした治郎作を生證據 に、縄張りを寄こせ、金を出せと昔古の疵をあ ばき立て三右衛門一家をことごとに苦しめて行 つた。この追害に堪へ兼ねた卯之助はその捌を つけんと単身剛蔵一味を襲つたが剛蔵を殺しも やらず目明しの秀吉に追はれ、おしかと涙の別 れを告げ江戸を落ちて行かねばならなかつた。 卯之助が居ないと知つた剛蔵輩下は三右衛門を 斬り捨て、其の乾分三に人【「三人に」の誤植か】卯之助の後をつけさ せた。又その後を父を失つたおしかが、乾分の 長吉を連れて江戸を後にした。 【上段四角枠内右側】 友情を盗む勿れ   脚本 池田忠雄   監督 宗本英男   撮影 猪飼助太郎  ・配役・ 山本 和子  槇 芙佐子 父  雄造  岩田 祐吉 弟  善一  突貫 小僧 宮川 秋子  東山 光子 父      水島亮太郎 母      岡村 文子 西村 静子  三浦 光子 兄  邦夫  佐分利 信 課長     小林十九二 竹田     阿部正三郎 原      日守 新一 三田     伊東 光一 掃除婦    高松 榮子 【下段】 梗概・・平和と幸福に恵まれて黒髪長き乙女に 生長した秋子と静子は、女学校時代のアルバム を前にして仲よし三人組の楽しい思出に更り乍 ら且つて三人組の一人だつた和子の事を心配し てゐた。卒業を控へた早春の或日、父の事業の 失敗から和子は突然三人組から姿を消しその後 の消息は今尚沓として知れないのであつた。秋 子と静子は今更の様に和子の他人行儀を批難し たい氣持でゐた。或る日秋子は熱心な求婚者の 一人である原とゴルフに行つた折原の打つた球 に倒れたギヤデイの少年が偶然和子の弟善一で あつたことから、三人組の友情が久し振りに復 活した。和子に同情した邦夫は善一を自分の會 社の給仕に就職させ種々面倒を見るのであつた 秋子は両親に意中の人邦夫との結婚に賛成を求 めた。それ以来邦夫は絶対の花婿候補とさ れた。 【下段横書】 希望に立つ  廣瀬 徹  水戸光子  徳大寺伸  葉山正夫 【縦書】 上山草人 大塚君代 若水絹子 突貫小僧 吉川滿子 二浦【「三浦」の誤植】光子 助演 平和に明け暮れる村落に生きる純 情無心の人々の間に芽生えた生活 苦闘火の様に燃え立つ少年の希望 の中に描く人生苦、これは限りな い苦悩の人生の一觸を完壁【璧】に描く 大船の異色篇。