【右頁:かるた】 壬生(みぶの) 忠見(たゞみ) こひすてふ  我名(わがな)は まだき 立(たち)に  けり 人(ひと) しれ   ずこそ  おもひ     そめしが【正しくは濁点なし】 【左頁:歌解説】 右の歌の心は やうやく きのふ けふこそ 人に おもひよりたるに ほどもなく はや うき名のたつ ことよといへる 歌也 われ人にしられ ざるやうに ひそかにかの人をおも ひそめしが まだわが口へ出すや出 さぬに人ははやくしりてうきな をたてられたりとなり こひすてふ とはこひするといふと云事なり まだきははやくといふ事なり