しんはんわらひまり唄 【上段】 一ツトヤ 人のはなしにきくも いやひとりもの となりのぢしんで きがもめる〳〵 二ツ ふしんが出来(でき)あが  つて此間(このあいだ)のぢしんさわき なむさん万ざいらく みなそんじや〳〵 三ツ みし〳〵ゆられて小娘(こむすめ) がたいじなところを われないやうにと 手をあてる〳〵 四ツ しばゐのぢしんは まわり仕かけにいみ□い まわりてさゝやぶの だんまりば〳〵 五ツ 今戸(いまど)のかわらしと 左官(さくわん)と屋根(やね)やさん あとはぜにもふけで わらひがほ〳〵 六ツ むかしからたとへに 人がいふこわいものは ぢしんにかみなり くわじおやぢ〳〵 【下段】 七ツ 中(なか)よい夫(ふう)婦が夜(よ)なべの ぢしんはないきあらく 女房(にようほ)はないたり もちやげたれり〳〵 八ツ 八百八町(はつひやくやてう)の大江戸は  大じやうぶ 自身(ぢしん)ばんかほう〴〵 にごさります〳〵 九ツ こわいと女にだきつかれ かぢりつかれ むねはどき〳〵下(した)では によき〳〵 十ヲトヤ どうらくむすこにや いたぶられぢしんで やられ親父(おやし)も  おそれます〳〵 十一 いやがるせと物やのき 娘(むすめ)にむこをとり ぢしんでわられて しかたなし〳〵 十二 ふきくるかしまの 神(かみ)かぜはありがたや 御代はゆるがぬ かなめいし〳〵