前大僧正(さきのだいそうぜう)    慈円(ぢゑん) おほけ   なく うきよの 民(たみ)に  おほふ    かな 我(わが)たつ 杣(そま)にすみぞめ      のそで   九十五番 此心はおほけなくはおよびなくをいふ心也 わがたつそまとはひえの山のこと也この山 にすみて世の中のたみをば一子のごとく あはれみ袖をおほふべきほつけ【法華?】のぎやう じやなれどもおよびなきわがことく のものはたゞいたづらにこの山のある じとなりてすむばかりなり   とひたすらにおのれを      かへりみてよみ         たるうたなり