会津 ばん  だい   さん 大くづれ はなし 【上段】  ひろい  にほんで    なもたかき 一あいづ  ばんだいさんの おゝさわぎ  きくも  かたるさも   をそろしや  ふもとわ ごかむら    そのほかに 二ろくり  よほうの    さわぎにて  そくしの かづ〴〵    かづしれの  みるも  をそろし    このさわぎ 三ばんだい さんわま    ふきやぶれ  したより くハいんが   もいあがる  よにも  じごくハ    あるものよ 四これが  とうくハつハ  じごくかと  くるしむ ひとのよ    ありさまハ  いかに  じごくが    あれバとて 五このよで 三十      ろくかむら  いちどに はなうの    くるしみで  むごい  ものだよ    ばんだいの 六とうじの ひと〴〵    だいそこに  かわいや そのかづ    百五十にん  ならくの そことハ    このことよ 七つまや  こともの    あるみでも  しにめも あわずて    このよのわかれ  やまハ  くづれて    のまとなる 八のまハ  むまりて    やまとなる  いしハ  くだけて    じやりとなる  こゝん  まれない    をゝさわぎ 九いしハ  てんより    ふりくだる  したより ほなうが    もいあがる  とゞろく だいじハ    ひゃくはちの 十かみなり さまのま    ごとくにて  いきた  こゝろの    ひとわなし 【下段】   いばら  をゝかわ    こがわまで 十一すいろハ ふさがり    でんばたも   みづだめ こぼりも    みなつぶれ   にわかの さわぎの    ことなれバ 十二をやこ  ちりじり    にげいだす   いのち  あつての    ものがたり   さん〴〵 くづれし    そのころハ 十三七月   なかバの    十五日   ごぜん  はちじも    すぎしころ   しほう  はつぽう    くろけむり 十四ちやうちく るいまで   みなごろし   みのけも よだつる    ばかりなり    ごたいも ちゝまる    をおろしさ 十五つまこに わかるゝ    かなしさに   をやこ  わかるゝ    あわれさよ   ろく十  よしうハ    ひろくとも 十六ばんだい さんのま    をゝさわぎ   みるも  あわれの    かぎりなし   しかし  ひとつの    ふしぎあり 十七ひばら  むらにて    ひとりもの   としハ  八十で     をバゞさん   はるの  ころより   いつぴきの 十八いのを  だいじに   かいをかバ   このいの ごをんを   をくらんと   くびを  かたげて   このいのハ 十九ものわ  いわねど   めでしらす   そでを  くわいて   つれてよく   にわかの だいなん   まのかれて 二十うれしや ぶちやと   をバゞさん   こんな  さわぎが   よにあろか  明治二十一年七月十六日印刷  同    年七月十九日出板     新潟県中蒲原郡白根町      第百九十二番地  編輯兼  発行者  岡田 伝松  印刷兼     定価■■■