【右丁】 皇太后宮大夫(くわうだいこうぐうのたいふ)         俊(しゅん)成 世(よ)の中よ  みち   こそ なけれ   おもひ入る 山の奥(おく)にも 鹿(しか)ぞなくなる 【左丁】     八十二番 此心はいろ〳〵によのうき事どもを心に 思ひしめて今は何事もうき世はいらさる事 とおもひ入てふかき山のおくにもとこゝろざ せば又山のおくにもしかのものがなしくう ちなくこゑありそれをきゝては山の おくにも世のうき事は有けり とかくこのよの中よのが れゆくべきみちこそ なけれとう ちなげくこゝろ       なり 【画面右側】 香蝶棲  豊国【國】画