順徳院(じゆんとくいん) 百敷(もゝしき)や  ふるき 軒端(のきば)  の しのぶにも 猶(なを)あまり  あるむかし   なりけり   百番 此心は王道のすたれゆくをなげき 給ふ義なり末の世になれば昔を しのぶはならひ也ましてや王道おと ろへて君一身の御上ならず天下万 民の為なれば昔のよき世を忍ぶ とするにもなをあまりある今 の世のうたてみよと也百敷は内 裡百官の座せきを云なり しのぶとは昔をしたふことにて夫に しのぶ草をそへ給へり 【画面左側】 一陽斎   豊国【國】画