【上段右】 地震(ぢしん)は  |亥刻過(いのこくすぎ)にして 諸方潰(しよほうつぶれ)る  |十月二日(じうぐわつふつか) 出火(しゆつくは)は  三十|余所(よしよ)にて 諸口(しよくち)静(しづま)る  |翌朝三日(よくちやうみつか) 士(し) |歩(ぶ)を引上(ひきあげ)る   |大名方(だいめうがた)は是(これ)も袋(ふくろ)の  |御弓町(おゆみてう) 農(のう) |米(こめ)を取出(とりだ)す   |大施行(おほせぎやう)は是(これ)も貢(みつぎ)の  |田原町(たはらまち) 喜怒(きど)   |四民種(よつのたみくさ)  愛楽(あいらく) 工(こう) |人(ひと)をあつめる   |大帳場(おほちやうば)は是(これ)も出入(でいり)の |大工町(だいくてう) 商(しやう) |山(やま)をきり出(だ)す   |大筏(おほいかだ)は是(これ)もお江戸(えど)の |材木町(ざいもくてう) 【右の記述に下の次の横書き】 賜天(てんよりたまふ)御救栄(おすくいのさかへ) 高天座(たかまくら)石|御代礎(みよのいしずへ)       御小屋         五箇所 【上段右の絵内】 當テル十月二日より 【上段左】 【横書き】道行 亥刻(ひけしふん)夢地震(ゆめのふること) 《割書:江東焼三郎|郎の井ゆめ三郎)》 秋元連中          割竹鉄?にて            相勤申候 第一番にもへ出し申候 【下段】 焼人替名 一震動左衛門    江戸中郎 一驚人部之助    江戸中郎 一百姓番作     五九郎 一若徒錢内     五九郎 一高直とら次郎   番太郎 一草履三太郎    番太郎 一類焼家の下役板衛 高十郎 一かこひものおくぎ 伊太郎 一おんぼうのひ六  よく次 一くづれ棟兵衛   つち蔵 一曲り家蔵住兼  のしゆく 一《割書:最初三十三所|  八な火出吉)》     火次郎 一《割書:観音の塔まかり| 九りん坊)》     五重 一雇人足間似八   相蔵 一《割書:辻商人| 留場の出来蔵)》    三町郎 一午丸太九郎こげたり 三町郎 一座頭高利ノ一   損四郎 一こし元たてず   抜太郎 一こし元いたみ   身すじ 一こし元おあさ   紫色 一こし元おきす   療次郎 一足場の高蔵   丸太郎 一道心者つつかひ焼 丸太郎 一店番火け四郎幟り 町中郎 一こぼれ玄番    町中郎 一《割書:立退家の後室| 繁昌の前)》     廊中郎 一けいせゐ玉なし  廊中郎 一土山内蔵介道わる  難十郎 一黄金内大臣蔵持郷  難十郎 一足元年寄公    難十郎 このもの前勘定め 賀落雁