【表紙裏】     □□□ 角田河な鈴  さくらもちひ   □る家に      いこひ〳〵 桜ちる□の     小田に   まく籾や  はなの香    ふかき     餅となるらん 【左丁】 自序 桃太郎(ももたらう)に従(したが)ひし猿助(さるすけ)は団子(だんご)の黍(きび)のき ちくらきに名(な)を揚(あげ)蟹(かに)を騙(だま)しし猿蔵(さるざう)は 一口(ひとくち)ものに頬(ほゝ)を焼(やき)めしに身(み)を失(うしな)へり おなし心(こころ)に奥山(おくやま)の猿丸太夫(さるまるだいふ)もその 行(おこな)ひによりて善(ぜん)となり悪(あく)となる事(こと) 豈(あに)つゝしまざるべけんやされば昔(むかし)〳〵のくさ 隻□(そうし)猿(さる)の尻(おいど)の赤本(あかほん)も□寝(ねん〳〵)にて転寝比(ころゝねんごろ) 【右丁】 に/善(ぜん)を/勧(すすめ)/悪(あく)を/懲(はら)すの/度(をしへ)を/以(もつて)/児童(こども)を /導(みちび)くかけはしとせり/実(げ)に七/角(つの)ある/心(こころ)の /鬼(おに)を/捉■(とりひ■ぎ)て/忠孝(ちゅうかう)めでたき■から/物(もの)を えんと/御陪従(おとも)にたてし/雉子(きじす)の 小江 /声(こゑ)にけんを/賢(けん)としゝ事/色(いろ)に/易(かへ)よと /喰(く)ひきよりくいつかせたる/餅酒合戦(もちさけかつせん) /婆(ばゝあ)らが/川原(かはら)に/洗濯(せんたく)のふるい/趣向(しゆかう)を ちりかへした/爺(ぢゞい)/山田(やまだ)の/■■(しんぱん)と 【左丁】 つゞりなほし/枯木(かれき)に/花(はな)のさくら/木(ぎ)にのぼ せ/侍(はべ)るをもし/稚殿(わかとの)さまの/御目(ふしめ)にたゝすに /沢山(たくさん)おもとめ/下(くだ)さらい/時(とき)を/兎(うさぎ)の/作者(さくしや) /手柄書肆(てがらほんや)も/一期(いちご)さかえんと/慾(よくばう)■■まうす 甲店の主 戯作者鬼戯述 ■■園主人出