後鳥羽院(ごとばのいん) 人もおし  ひとも うらめ    し  あぢき   なく   世(よ)を    思ふゆへに   ものおもふ       身(み)は    九十九番 此心は王道をかろしめよこしまなる世にな りゆく事をなけきおぼしめす也人 もをし人もうらめしとは世の中の人の心 さま〴〵にてをさまりかたき心也又たゞ ひとりの上にてもよろしきと思ふ人にも 又あしき所の有心也 さればよき所はをしく あしき所はうらめしをと りあはせあぢき なくとはよみ 給へる也