化物和本草 寛政十 京伝作 北斎可侯画 上中下之上 やまと本草 獅子身中蟲(しししんじうのむし) 《割書:/加古川本草(かこがわほんざう)|/綱目に曰(かうもくにいはく)》 しししんぢうのむしといふはかしらはつりどうろうのことく はねはくものすのごとし(く?)しりおはふみのごとし つねにえんの下にすまいをなして?こざかなを ゑじきとなしそのこゑ ゆらどの〳〵となくあるひと かんざしをしゆりけんにうつて このむしをころしかも川に ながしたるとなりもつとも あかい■■をき■■ふむしなり いつたいこのむしは そのいゑにしやうじ そのいゑのろくを はんでそのいゑを ほろぼさんと はかるいたつて ふぎふぜんを このむなり にくむべく おそるべきむしなり 忠臣蔵 七段目に つまひらかなり いまここに? しる?す 【右ページ下】 〽ゆふべのゆめミが はるかつた にげろ 〳〵 【右ページ中ほど】 〽あのひとはしやうぶかはの きものをきているから てらおか平右ゑ門と おもつてひつくりした 【左ページ】 のふこはや おそろしや /平気蟹(へいきがに) /大(だい)の平記物語(へいきものがたり)に曰(いはく) へいきがにといふはそのむかし 寿永(じゆゑい)のみだれに平家の いちもん西海(さいかい)のなみにしづみ 男子(なんし)の一ねんはへいけがにとなり 女子(によし)の一ねんはへいきがにとなる かうらはおんなのかほのごとく はさみはひらも■いにに?てあしは べつかうのかんざしのごとしめは わげゆらちひに?にたりやまのくづるゝ■■やうな ことありてもへいきなるゆへかくは            なづくるなり とかくひとに さからふかににて ものごとよこに ばかりあゆむなり うたがいふかく むねのうちに つるぎをかくし りんきしつと【悋気・嫉妬】 のこころおおく ややもすれば 男観(おがん)?■をしりに しきたがるかに なりそのやくに【ゆへに?】 【左ページ】 て■■■■ ■■■ へ■■ ■ べきかになり 【左端】 ■■ひるめし? ■へじや■■■■■ へ■■いて にげ■くい■ 【左ページ下】 ■■■ いのちは? とふ■ ■■■ して くだ され かか■な は■にけ? さつしやれ ひとのせがれ? ふ■■ずんにて ゆうきやうにふけり すじついゑにかへらす 父母のなげきに ■■もて?■■の ひとをたのみ ごくろうにては いへどもきさま け■■らん事さ■いて なに■ぞと■■■■を いゑにつれかへりくださる べしとたの■かれすなわち ゆうきやうのちにゆきれ かのせかれにあわつれ かへらんときやうらんを もち■■ときかの せがれのいへるは ずいぶんきとうさまの ■■けんにしたがい すらくやかえかへり■べし さりながらまづ■■ いつさんめしあがつて くだされとす■られ したぢは■きなり ■■いのみ■ はいの■ つ■には■■■ 【左ページ】 ■■■■■ ふぎゆう■■■ なじり■■■■ ともにい■■かく■を わ?するこれをなつけて みいらとりの みいらになる とは■なり これは■ はだ■■の にはどゝ やくなり このみいらは ずいぶんなりを みやはせ たび〳〵 いけんで■■■ さいまつして もちひずは くすり には なるまい