【表紙 題箋】 東都勝景一覧  上 【資料整理ラベル】 JAPONAIS  633  1 【白丸ラベル内】 JAPONAIS 633 1 【四角ラベル内】 Vent Emile Javal 27 Novembre 1933 183 Katsushika Hokuai.Toto Meisho Shokei Ichiran.Paysages celebre Preface non signee. Fin signee:Hokusai Tatsumasa ou Sensei et datee 12e de Kwansei(1800) . Editeur Tsutaya Junzaburo a Yedo. Graveur Ando Enshi. 2 vol. contenant 40 pages de gravures en couleurs. 【ラベル枠外】 Don.7605 さきに江戸桜と題して大江戸 の勝地を絵にものせる草紙あり いままたそれにつき木してむさし 野ゝくま〳〵残なうさきにほはせん とすいてやをちかた人にものまうす みてのみやてふこゝろしあらはねこ してうつせる紙絵のひと巻手こと にとりて家つとにせよといふ 【欄外上部】JAPON 633 (1)【下に以上ひと括りの印】 【右丁】    品川     自得庵      花咲翁 千万の船の  荷物も   あまりなく  江戸のきせうの   ■【よカ】くさばけたり    為善堂     最楽 つとゆかば  波やよせなん   しほ干かた  沖へはよしに   品川の浦 【左丁】    不了軒      止安 見渡せは  助六がいふ 安房上総 羽子田の  鼻へはひる     親船    市人 あそぶ日は  海苔(のり)とる舟も   品川の すへあげてほす  浦の初春 【右丁】    梅屋舗      亀長命 夜もすから  恋猫(こひねこ)ほどに    梅かへは うかれ歩行(あるく)や   軒のはる風    外山花盛 来る  はるの目には    みえねど  庭もせの はなでしらるゝ  けさの    梅か香 【左丁】    垣橙人 いくとせを  ふりてかこゝに    臥龍(ぐわりよう)梅  みきは   うろこに   なりて   見ゆらん    堪忍吾綾 長閑さに  梅も臥龍の    名におひて  うごかすくもは    鶯のゑは 【右丁】    三圍      望月牧広 あわ雪の銀にて   春の千金も  鳥居のかさは見えぬ       みめぐり      板谷棟成 たをやめが  薄化粧(うすげしやう)なる  春の雪  そのみめぐりや  かたちまでよし 【左丁】    イ学亭      土師得 まつち山  白き   木末(こずゑ)は    遠目鏡 花のさきかと  みゆる  あわゆき      堀川亭石丸 待乳山  まつかひ有て   しら雪の 友もおちあふ   初買(はつかひ)のころ 【右丁】    王子      呉服堂織悑 枝高み  雲のとばりと   見るまでに  花の王子の    春はときめく      青草庵春人 きつねより 盛(ざかり)は人を まどはせて 雪と化(ばけ)たる 山の桜木 【左丁】      仁義堂道守 あらそひの すきてわらへる わうじ道 うしろ奴(やつこ)に まへ坊主持      花川亭高丸 是もまた  みやげに   したや狐ほと 霞の袖に  うごくはる風 【右丁】 飛鳥山      綾羽亭織主 形城も  つれて   王子や   飛鳥山 ひとつ穴なる  狐ともとち      夷国人 あすか山  土器(かはらげ)ほどに   さかつきも 上手に  なげて渡す    御手もと 【左丁】    巴曲亭桃李 飛鳥山  日々くるゝ     とも   花の雪 照らして  よまん碑(いしぶみ)の    文字    崔脛永喜 家つとに  をらぬ   ものから  さくら花  あたり   隣へ目を    くばりみん 【右丁】    日本橋      東田舎丁稚 さしみにも 浪をうたせん まなはしの にほん橋より 出る初かつを      朝倉庵三笑 不尽(ふじ)山を  かけ物にして    日本橋  なりは丸卓(まるしよく)   江戸の中王(ちうわう) 【左丁】      南枝春告 初かつを  直はいはねとも   小判ぞと いびつを見する   肴(さかな)はんたい    重宝堂為住 夏来れは  富士も青みて    初/松魚(かつお)  ともに    ねたかく見る      日本橋 【右丁】 亀井戸天神   茅原庵秋風 竹垣に  ちとせを    かけて咲花は つるにゆかりの  亀井戸の藤   智袋庵有民 花ふさは  たれし錦(にしき)の    綾なれや たてる四神(ししん)の   亀井戸の藤 【左丁】   篠夫越方 行かひに こゝろつなぐや 御神馬(ごじんめ)の 手綱のそめの 紫の藤    東山堂数良 咲出る  藤の   つるべに  朝露も くむかと  ばかり  みゆる   亀井戸 【右丁】   隅田川    峯巒亭     蔵人 涼しさは 筏(いかだ)の丸太 長/縄(なは)の糸を あてたる 中すみだ川    林心亭     宇満喜 熟(じゆく)したる  梅の味なる   すみ田河 すゞしく思ふ  横堀(よこほり)の口 【左丁】    桜下堂寿歴 味酒(あぢさけ)の  すみだ    河原に     盃(さかつき)の ひだりへ  うけて   聞時鳥    三尺庵二鷹 隅田川  すめば   ゐなかも    都鳥 わたりに舟の  ともは   有けり 【右丁】  両国  玉川亭   友呼 夕立の はれて  涼しき  ふねにまた 鳴神と聞  橋の行かひ  蓬志満人 花火見る  空に二つの   星下り かさゝぎならぬ  両国の    橋 【左丁】  萩永持 一目にも  に本   あぐる  花火とて 両国に  よる舟の  みよしの  紫色菴蔓人 ふじ筑波(つくば)  左右(さう)にみつれは    風の手の  両国はしの   袂(たもと)すゞしき   山王祭    真字唐文 おさまりし  御代は朝から   くもりなく はれし日吉(ひよし)の  山王まつり    明石浦人 小利口(こりこう)に  拍子(ひやうし)きく    子を親心 ついても  出たき馬鹿(ばか)   ばやし哉 【裏表紙見返し】 【裏表紙】