【巻物の題箋】 百人一首絵【繪】抄  三十六 【本文】 此心は秋の野のくさ木にひしと つゆをきわたしたる所をにはかみ【「に」とあるところ。】 あらきかぜのふきたつればその つゆばら〳〵ととびちりてさながら いとにてつらぬきとめぬる玉のみだ れちることくにて見とることいふ心也 風のふきしきる事なりつらぬき とめぬとは糸にて玉をつなぎ とめたる事なり 【画面上のカルタ 上】  文屋朝康 しら露   に かせの 吹しく  秋の野は 【画面上のカルタ 下】 つらぬき  とめぬ 玉そちり    けり 【画面左下部】 国貞改二代目   豊国画