【中央上資料のみ翻刻・他は別ページにて翻刻対象】 【挿絵内文字】 十一月五日の夜(よ) 大津波  来ル前 大坂 前垂(まへたれ)    嶋(しま)に    出る   怪異(くわゐ)の図(づ) 【本文】 〇十一月五日 夜(よ)暮(くれ)六ツ半時 津浪(つなみ)にて橋落(はしおち)し分(ぶん) 〇 道頓堀(とうとんほり)川西より日吉橋 汐見(しほみ)はし幸(さいわひ)橋住吉はし 〇堀江川 水分(みづわけ)橋 鉄(くろがね)はし〇西 横(よこ)堀 金(かな)屋はし 〇安治川橋〇亀井橋〇玉津はし都合(つがう)十一橋 〇天保山津 浪(なみ)突上(つきのぼ)り此 辺(へん)の漁師(れうし)民家(みんか)とも水  つきけるゆへ皆々(みな〳〵)天保山へ逃登(にげのほ)る民家大そんじ  小家 崩(くづ)れながるゝすべて此辺の新田(しんでん)水突入  ける故百性家 各(おの〳〵)堤(つゝみ)に逃登る其後 皆堤(みなつゝみ)の上に   仮小家立(かりこやたて)是(これ)に住居(ぢうきよ)す