【右頁白紙】 【左頁】 寛政二年来朝  琉球(りうきう)よりさつままで行程(かうてい)事  さつまより大阪迄海上の事  大阪より伏見迄川御船の事  伏見より江戸までとまり休事  正使副使并姓名の事  御けん上もの目録の事  りうきうことばの事  来朝ねんだい記之事  薩州御にんじゅの事  りうきう人惣人数之事  人そくてん馬の事 仲山使  琉球人大行列記 大              全         来朝新板給人 【資料整理ラベル】 第六八九号    壹冊 杉浦文庫 【右頁白紙】 【左頁】       宝玲文庫【印鑑】   序 /夫琉球国(それりうきうこく)は/日本(につほん)の/西南(にしみなみ)に/当(あたつ)て /薩摩(さつま)より三百/余里海中(よりかいちう)の/嶋(しま) /国也(くになり)/琉球(りうきう)の/西南(せいなん)は/暹羅国(しやむろこく) にして/東北(ひがしきた)は/日本(につほん)にむかふ /行程(かうてい)/東西(たうさい)七八日/南北(なんほく)十 二三日/四季暖(しきあたたか)にして/水田(すいてん) 【右頁】 一年に両度(りやうど)耕作(こうさく)すると かや和哥(わか)にはうるまの島(しま) と/読(よめ)り慶長(けいちやう)十五年の ころより来朝(らいちやう)すと云々 于時寛政二年戌歳   洛陽   辨装堂 【左頁上】 /人王百八代(にんわうひやくはちたい) /後陽成院御宇(こやうぜいゐんのきよう)/慶長(きようけいちやう) 十五年/琉球(りうきう)を/征(せい)すこれ より/代(たいたい)/来朝(らいてう)す/寔(まこと)なも かな/幾千代(いくちよ)も/栄昌(さかへさかふ)る /日(ひ)の本の/目出度御代(めてたきみよ)の /例(ためし)/千秋万萬歳(せんしうはんはんぜい) 【右頁】 /琉球人行列之次第(りうきうしんきやうれつのしたい) /先(さき)はらひ/警固(けいご) つひの/挿箱(はさみばこ) どひかさ たて/傘(かさ) /大(おふ)とりけ 【左頁】 /対(つい)のなげざや /弓(ゆみ) うつほ /半弓(はんきう) /鉄砲(てつほう) 【右頁】 /旗竿(はたざほ) /長刀(なきなた) /引馬(ひきむま) /凡(およそ)さつま/人数(にんじゆ)一万人 /余有之(よありこれ) この/次(つぎ)に /琉球人(りうきうじん) /行列(きやうれつ) 【左頁】 /琉球人(りうきうにん) /騎馬(きば) /下官(けくはん)一人づ【「づ」でしょうか】 【右頁】 /箱(はこ)二つ  /但金泥(たゝしきんてい)にて/楽器(かつきの)  の二/字(ぢ)あり /琉球馬(りうきうのむま) /弐疋(にひき)  /但(たたし)かざりなし 【左頁】 /囲師(いし) /真喜屋親雲上(まきやばいきん)    /馬別当(むまべつとう)の事なり /跟伴(こんはん) /数多(あまた)     /供(とも)人の事也 /書翰箱(しよかんばこ)  /但地黒(たゝしぢくろ)に/白字(はくじ)の  /織(おり)もの/見事(みこと)なる  ものなり 【右頁】 /書翰箱(しよかんはこ)  右同行 /掌翰史(しやうかんし) /大湾親雲上(おほわんばいきん)    /祐筆(ゆうひつ)の事也  /跟伴(こんはん) /二行(にきやう)     /数多(あまた) 【左頁】 /囲師(きやうし) 真喜屋親雲上    /馬別当(むまべつたふ)の事也 /鞭(むち) へゑん  但せひばい/棒(ぼう)の事也大/竹(たけ)  長さ一丈はかりすへの/方(かた)  二つわり半より/持所迄(もつところまて)  丸く/朱(しゆ)ぬりにしたる/物(もの)  なり一つわり /牌(はひ)   二行  /板朱塗(いたしゆぬり)/文字金泥(もんじこんてい)  なり 【右頁】 /張旗(はりはた)    二行 ちやんきい /銅鑼(とら)   /两斑(どぢやくじやう) とんらう くりんりん /嗩吶(ひちりき)    二行 つをな 【左頁】 /喇叭(ちやるめる)   銅角 くいは  とんこゑ /皷(たいこ)    /二行(にぎやう) く /虎旗(とらのはた)   二行 ふうき 【右頁】 /鎗(つやん)  /龍刀(ろんとう) やり なきなた  /冷傘(れんさん)    ひぢりめんは    /二重(ふたゑ)に/飾(かさら)_レ/之(これを) /使賛(すうさん)   /凡(およそ)十二人/程(ほど)は   /二行(にぎやう)   /但与力役(たゝしよりきやく)の事也 【左頁】 /轎(きやう) /正使(しやうし)  /宜野湾王子(ぎのわんわうじ)  /但唐衣冠也(たゝしからいくはんなり)  /跟伴(こんはん)     /数十人(すしうにん) 【右頁】  /賛度使(さんめす)   /凡(およそ)十四五人   /小性(こしやう)の/事也(ことなり) /牌(はい)    二行  /板朱塗(いたしゆぬり)にて  /文字前(もんじまへ)と/同(おな)し 【左頁】  /鎗(やり)    /龍刀(なきなた) つやん   ろんたう /冷傘(れんさん)   ひちりめんは   /二重(ふたゑ)に/飾(かさら)_レ/之(これを) 正使之使賛    /座喜味親雲上(ざきみばいきん)    /波平親雲上(はびらばいきん)    /伊渡山親雲上(いとやまばいきん) 【右頁】 /轎(きやう) /副使(ふくし)/幸地親方(かうちをやかた)  /但(たゝし)/唐衣冠也(からいくはんなり) 【左頁】 副使之使賛 /翁長(をなか)/和宇慶親雲上(わうけばいきん)   凡八九人一行 /賛議官(さんきくわん)    /田里親雲上(たざとばいきん)   但/琉球衣冠也(りうきうのいくはんなり)   /正使付(しやうしつき)の/役人(やくにん) 【右頁】 楽師  /新川(あらかは) 親雲上  /上原(うへばる) 親雲上  /玉城(たまぐすく) 親雲上  /伊江(いゑ) 親雲上  /与世山(よせやま) 親雲上 【左頁】 楽正 /識名親雲上(しきなばいきん)    楽人のかしら也 楽童子  二行   琉球の服を着す  /小波津(こはつ)里之子 /上間(うへま)里之子  /渡慶次(とけす)里之子 /伊舎堂(いしやどう)里之子  /国頭(くにかみ)里之子 /伊是名(いぜな)里之子   /跟伴(こんはん) 数十人 【右頁】 /儀衛正(きゑいしやう)/兼本(かねもと)親雲上 よひういらん  /路次楽奉行也(ろしのがくふきやうなり)  /右(みき)琉球/之衣冠(のいくはん)也 /掌翰史(しやうかんし)/兼(けんか)ヶ/段(たん) つやんはあんす   /祐筆(ゆうひつ)の事也 【左頁】  /賛度使(さんめす)   /行列前(きやうれつまへ)に/同(おな)じ  /跟伴(こんはん)    /数十人(すじうにん)  /立傘(りうさん)   /但先(たゝしさき)を/金糸(きんし)のごとく   なるものにてつゝむ 【右頁】 /副使(ふくし)  /幸地親方(かうちをやかた)   /但唐衣冠(たゝしからいくはん)なり /使賛(すうさん)   /凡(およそ)八九人/程一行(ほといちきやう) /立傘(りうさん)  /先(さき)のかざり/前(まへ)に/同(おな)し 【左頁】  /跟伴(こんはん) /数人(すにん)      /二行(にぎやう) /医師(いし)/真喜屋(まきや)  /但琉球之衣冠(たゝしりうきうのいくはん)  なり  /跟伴(こんはん) /数人(すにん) 【右頁】 /凡琉球人(およそりうきうじん)/弍百人余(にひやくにんよ)  /但(たゝし)/上中下官(じやうちうげくはん)ともに  /印籠(いんらう)/一(ひとつ)つ/宛(づゝ)さげ申候  /扇(おふぎ)は/朝鮮(ちやうせん)におなじ 【左頁上】   /音楽之次第(おんかくのしたい) /太平調(たひぴんちやう)楽   凡七人■■         相勤申候 /桃花深(とうふあゝゑん)楽   右同行 /不老仙(ぶうすせん)     右同行 /楊香(やんぴやん)/明曲(みんきよ)   弐人■■ /寿尊翁(しうつふんおん)/清曲(ちんきよ)  同行 /長生苑(ちやんすゑんゑん)楽   七人■■         勤之 【左頁下】 /琉球国(りうきうこく)より 御江戸まで/行程(こうてい)七百十一里余 琉球より薩摩/鹿児島(かごしま)まで 三百里余かご島より大阪まで弐百七 拾六里余大阪より江戸まで百卅五里  道中/宿驊割(とまりやとわり) 伏見/宿(とまり)  大津/休(やすみ) 草津宿   水口休 坂ノ下宿  /庄野(しやうの)休 四日市宿  /桑名(くわな)休 宮とまり  /池鯉鮒(ちりふ)休