式子内親王(しよくしないしんわう) 玉(たま) のをよたへ なはたえね ながらへは しのふることの よわり もそ す る   八十八番 此心はしのびあまるおもひをおしかへし おしかへし月日をふるにかくても命の なからへなばしのぶ心のよはりはてつひに はあらはれてうきめ【憂き目】おやかん【「おやかん」の語なし。「をやかん(を焼かん)」か。とすれば、苦しい思いに胸を焦がすという意になりますが。】それよりも 早く身のよはりて命のたへたるがまし ぞとなり玉のをとは命のこと也たえ なばたえねとはたえよさてと うちふてたる【「うちふてる」=「うち」は接頭語。ひどく不平を起こしてやけになる。意地をはる。の意】ことばなり なをよはりもぞするといふ ことばおもしろし   香蝶楼    豊国画