鹿島恐 大国(だいこく)のとちうごかして 【右のページの「鹿島恐」は別のところに翻刻されているので、ここに既入力されているところは追記のうえそのまま残し、左に主題「ゑんまの子」を新たに翻刻した。】 【表題】 ゑんまの子(こ) ゑんま 〽カウいそかしくてはたまらぬみんなてめへ たちはおれが子にしてくれろと いふかおれがからだが粉(こ)になる やうだこれがほんの ゑんまの粉(こ)だらう 【中央上の歌】 六道(ろくどう)の 辻番(つぢばん) 人(にん)や 辻君(つぢぎみ)も あじな ゑんまの 子(こ)とぞ なり ける 女曰 〽わちきは町(てう)ざいますがことしのくれは ねんもあきすへはどうして黄泉(くわうせん)のなれぬ たびぢのかりまくらつひうたゝねかゆめうつゝ おきるまもなくつぶされてやいてこにして水でのむ 人もなき身とあはれみてモシゑんまさん ぬしの 子として おくんなんし もうじや曰 〽わたくしはおやこ五人のしんいりでございます どうぞこれからはあなたのお子さま どうやうにおもつて すこしもよいとこへ おねがひ 申ます アノはりの 山はよう ござりますが じつにはりの したは おそれ ます 子曰 【〽追記】ちやんや ばうはぢぞうの 子だよ