《割書:治る|御代》 ひやかし鯰 賑(にきは)ふ江戸(ゑど)の花川戸(はなかわど)設(もうか【?】)り宅(たく)の 繁昌(はんじやう)を見物(けんぶつ)せんとぬら くらと格子(かうし)をのぞく大鯰(おほなまづ) かむろが見付(みつけ)てさゝやけば おいらんはとんで出(いで)無理(むり)に とらえんとすれど抜(ぬけ)つ くゞりつつらまらねば もしへ早(はや)くひやうたんを 持(もつ)て来(き)なましといへば 気転(きてん)のきゝし若(わか)イ者(もの)これで おさへれば大丈夫(だいじやうぶ)だと徳利(とつくり)を 持来(もちきた)れば何(なん)の苦(く)もなくおさへしゆへ 是はふしきと能々(よく〳〵)見れば鹿嶋(かじま)の徳利(とつくり)だ 【「徳利」を下に配置すると振り仮名が付けられなかったのでそのまま続けて書きました】                 【中段 格子の中の会話文】 女郎〽︎もしぬしやアあんまり さますよこのぢうもだしぬけに きさつして大さわきを させなました みせも にかいも 一ときに ひねりばなしじやア めがまはるよウ ぎりわるや 【下段】 客〽︎その□【ひげ】を はなして くんねい□□□【それを】 ぬきや■如 とゝろ■■■ よつほど かたひげ□【さ】 【コマ⒈の裏面 手書きの整理番号と蔵書印】 0011842036 東京大学図書之印