【上の絵図資料】 【タイトル】磐梯山噴火略図 ナカサ温泉にては産前産後の男女多く死にたるよし オシサワ村 アキ元村 細野村 檜原村 壺楊 川上村 沼倉村 長坂村 温泉 ナガセ川 小松□ 清水村 シブヤ村 見祢村 岩せ村 八二ツ社 猪苗代 金田村 ハンタイ山 ハンタイノ温泉 白木城村 堀キリ村 若宮村 猪苗代湖 コヒラカタ【小平潟】天神 長浜 翁沢 フドウ堰 十六橋 □口堰 水門番方 波止 □□船場 中浜船場 舟津船場 笹山船場 翁島 戸口船場 【欄外】 明治廿一年七月廿六日印刷  印刷著作 下谷区元黒門町六番地 同  年 七月廿八日出版  兼発行者       並川善六 【下に貼り付けてある資料】 頃(ころ)は明治(めいじ)廿一年七月十五日 午前(ごぜん)八 時頃(じごろ)福島県下(ふくしまけんか) 岩代国耶麻郡(いはしろのくにやまこうり)磐梯山(ばんだいさん)(世俗会津不二) 突然噴火(とつぜんふんくわ)し 崩壊(はうくわひ)の面積(めんせき)凡(およそ)二 里(り)四 方(ほう)にて其災害(そのさいがい)に罹(かか)る場所(ばしよ)は 凡(およ)そ六 里(り)四 方(ほう)に及(およ)び埋没(まいほつ)せし人員(じんいん)は凡(およそ)四百人 負傷者(ふせうしや)凡(およ)そ九百 余名(よめい)岩瀬村(いはせむら)の内(うち)人家(じんか)三十六戸 潰家(つぶれや)五十六 戸(こ)又 其(その)噴出(ふんしゆつ)せし土砂(どしや)の為(ため)に檜原(ひのきばら) 大川の水道(すいどう)を塞(ふさ)ぎしかば檜原村(ひのきはらむら)は殆(ほとん)ど池沼(いけぬま)と なるべしと雄子沢(おしさわ)秋元(あきもと)細野(ほその)の三ケ 村(そん)は一 面(めん)に 山(やま)となりたる由(よし)此外(このほか)見禰渋谷清水長坂 沼倉川上養蚕三郷若宮堀切白木城 名家 等(とう)の村々(むら〳〵)も人馬(にんば)共(とも)に死傷(しせう)数(かず)を知(し)らず 是(こ)れ実(じつ)に近来(きんらい)未曾有(みぞうう)の一 大地変(だいちへん)にして 其惨状(そのざんぜう)推測(すいそく)の及(およ)ばざる所(ところ)なるべし委(くわ)しくは 諸新聞紙上(しよしんぶんしぜう)に譲(ゆづ)りて茲(こゝ)に大略(たいりやく)を記(しる)しぬ 【資料裏面・白紙】