嘉永七年寅霜月四日巳の上刻上り 大地震に付大阪市中殊の外破損有之候所 同五日同様度々震ふ事甚し同日夕方より 俄に津波にて安治川口木津川口ゟ大船 数艘一時に川中へ入込橋々悉く突落し 木津川口は大黒橋迄北は安治川橋迄入込候船々 数しれず怪我人死人夥敷目も当られぬ哀   なる事也其上勘介嶋死人数知れず其外     寺嶋今木新田月正嶋木津なんば       何れも水入白海の如くに成誠に         前代未聞の騒動大方           ならず其荒増を                しるす