泰平【上は横書】震華(しんくわ)鑑要(かんえう) 【被災地図】 【図右上の朱記】  ○べに所は出火  ×薄墨は大はそん  △白キ所無事  山下へ   上野御救小や 【図左上】 御救小屋場  浅草広小路  幸橋御門外  深川海辺新田 【左下隅の文】 安政弐卯年十月二日夜四ツどき 大じしん在之其后に到て所々出火 に付 潰家(つふれや)土蔵等の焼失数も しれず右 騒乱(そふらん)ゆへけが人等も 多く在之由に候此書は遠国え 告達(かうたつ)の便にならんと委細(いさい)に 相たゝし其印を付置候扨又 此度の義は前代未聞(ぜんだいみもん)の義ニ付 御上にも格別(かくへつ)御仁恵ふかく 御すくひ小家を立御 手当(てあて)厚(あつく) いたはらせ給へは遠国の縁者に ても安心致べき事にて今より 御心得にも可相成義と此段書記候