【ラベル全5枚】 吉田屋文三郎板 金 壱円五拾銭 《題:商売往来絵抄》 【題字下の活字印刷】 本郷区本郷六丁目 会場 赤門倶 絶版古書籍陳 書舗木内  電話小石川五 桃高賀全識 【ラベル一枚】 《題:商売往来絵抄》 東都書林    文江堂梓 商売往来(しやうばいわうらい)絵抄(ゑせう)序 夫(それ)士農工商(しのうこうしやう)日用(にちやう)の資材(しざい)雑具(ぞうぐ)等(とう)その 品(しな)枚挙(まいきよ)するに遑(いとま)あらず幼童(えうどう)の時ゟ 朝(あした)に 省(かへりみ )夕(ゆうべ)に顧(かへり)み熟読(じゆくどく)の精功(せいこう)をつくさば何ぞ 速(すみやか)に全(まつた)き事を得(え)ん故(ゆゑ)に修(しゆ)ぎやう 倦怠(くわんたい)の志(こゝろさし)を補(ほ)せんがために画(くわ)を加(くわ)へ 眠気を覚(さま)し自然(しせん)博学(はくかく)の基(もと)ひを 開(ひら)かしめんと欲(ほつ)す苟(いやしくも )勤学(きんかく)せずんば仁義(じんぎ) 礼智 信(しん)の道(みち)を弁(べん)せず道(みち)を弁(べん)ぜずんば 僅(わつか)に五十年の星霜(せいさう)を空(むな)しく庸(よう)愚(ぐ)と なりて一生を経(へ)ん事 歎(たん)ずきの甚き なりよつて書(しよ)肆(し)の需(もとめ)に応(をう)して云爾(しかいふ)   于時丑春    桃亭賀全識 【右丁、絵の左下に二ヶ所】 「馬喰町二丁目 書肆  吉田屋文三郎」 【左丁】 【丸印】商(しやう)売(ばい)往(わう)来(らい) 凡(およそ)商(しやう)売(ばい)持(もち)扱(あつかふ)文(もん)字(じ) 《割書:あきなひの事をいふ 日々したゝむる文字| 》 員(いん)数(す)取(とり)遣(やり)之(の)日(につ)記(き) 《割書:かずの事をいふ 往へんの事をかきつける| 》 証(しやう)文(もん)注(ちう)文(もん)請(うけ)取(とり)質(しち) 《割書:しるしのふみ とくい先よりあつらひのかきつけ しち物をいふ| 》 入(いれ)算(さん)用(よう)帳(ちやう)目(もく)録(ろく)仕(し) 《割書:かんぢやうをこまかにつける也 元かたへ仕こみ| 》 切(きり)之(の)覚(おぼえ)也(なり)先(まづ)両(りやう)替(がへ)之(の) 《割書:の金だかをいふ  りやうがえは江戸にては》 金(きん)子(す)大(おほ)判(ばん)小(こ)判(ばん)壱(いち)分(ぶ) 《割書:壱両六十目がへ 壱まい七両二分 壱両 十六朱| 》 弐(に)朱(しゆ)金(かね)位(はくらゐ)品(しな)多(おほし)所(いわ) 《割書:七匁五分 慶長金元禄金等いろ〳〵位あり| 》 謂(ゆる)南(なん)鐐(りやう)上(じやう)銀(きん)子(す)丁(てう) 《割書:七匁五分通用今はなし 一まい四十五匁| 》 豆(まめ)板(いた)灰(はい)吹(ふき)等(とう)考(かんがへ)贋(にせ) 《割書:ぞくに豆きんといふ いつわりいふ| 》 与(と)本(ほん)手(てを)貫(くわん)目(め)分(ふん)厘(りん) 《割書:正めいのしなをいふ 貫文といふ| 》 毛(もう)払(ほつ)迄(まで)以(もつて)_二 天(てん)秤(びん)分(ふん) 《割書:分りん毛は小すかをいふ 両がへみせにかぎり外になし| 》 銅(とうを)_一無(なく)_二相(さう)違(ゐ)_一割(わり)符(ふ)可(べき)_レ令(せしむ)_二   《割書:すこしもちがひなきをいふ| 》 売(ばい)買(〳〵)_一也(なり)雑(ざう)穀(こく)粳(うるしね) 《割書:うりかいの事をいふ いろ〳〵の品をさしていふ| 》 糯(もち)早(わ)稲(せ)晩(おく)稲(て)古(こ) 《割書:七月ごろみのる 九月ごろみのる としをへし| 》 米(まい)新(しん)米(まい)麦(むぎ)大(だい)豆(つ) 《割書:こめをいふ ことしできしこめをいふ 大むぎ小麦二しなあり まめをいふ| 》 小(せう)豆(づ)大(さゝ)角豆(げ)蕎(そ)麦(ば) 《割書:あつきをいふ いんげん十六さゝげをいふ からをさりしをひきぬきとす| 》 粟(あは)黍(きみ)稗(ひえ)胡(ご)麻(ま)荏(え) 《割書:ぞくにむこだましなど類あり 白くろ二しなあり 油にせいす| 》 菜(な)種(たね)廻(くわい)船(せん)数(す)艘(そう)積(つみ) 《割書:えにおなじ しよこくより入ふねかずおほきをいふ| 》 為(せ)登(のぼ)問(とひ)屋(や)之(の)蔵(くらに )入(いれ) 《割書:京大坂などへおくるをいふ しよじ元かた仕入するをいふ| 》 置(おき )聞(きゝ )合(あはせ)_二直(ね)段(だん)相場(さうばを)_一     《割書:そのとき〳〵の高下をきくをいふ| 》 不(ず)_レ残(のこら )於(おいて)_二売(うり )払(はらふは)_一運(うん)    《割書:うりさばくといいふ 馬車人そく等の| 》 賃(ちん)水(みづ)上(あげ)口(こう)銭(せん)差(さし)引(ひき) 《割書:ちんせんをいふ ふねより河岸あげの口せんをいふ しよ入用の■■だかを| 》 相(あい )究(きはめ)都(つ)合(がう )勘(かんかへ)利(り)潤(じゆん) 《割書:ひくをいふ   まうけの合だかを| 》 之(の)程(ほどを)出入(でいり)之(の)有(あら)_二損(そん)  《割書:うりかひのそんしつをおひ〳〵につくなふをいふ| 》 失(しつ)_一者(ば)可(べし )_レ弁(わきまふ )_レ之(これを )譬(たとへ)者(ば) 《割書:| 》 味噌(みそ)酒(さけ)酢(す)醤油(しやうゆ )麹(こふじ) 《割書:米むきかうじ二しなあり 米にて製す 麦にて製す 米麦にてせいす| 》 油(あぶら  ) 蝋燭(らうそく ) 紙(かみ ) 墨(すみ ) 筆(ふで) 《割書:品々あり うるしの木の実にて製す 南都上ひん 諸■にて分つ| 》 等(とう)此(この)外(ほか)絹布(けんふ)之(の)類(るい) 《割書:きぬもめんのるいをいふ| 》 金襴(きんらん)繻(しゆ)子(す)鈍子(どんす)【字面は「純」に見えるが「緞」とあるところ】 《割書:金糸にて色々もやうあり 地もんおりおし色々あり しゆすに同じ| 》 紗綾(さや)縮緬(ちりめん)綸子(りんず)羽(は) 《割書:ぞくにさやがたとておりたし有 ■■な■し 白■■し| 》 二(ぶ)重(たへ )北絹(ほつけん )生絹(すゞし)天(び) 《割書:糸地よろし これはねらざるきぬ糸にてせいす| 》 鵞(らう)絨(ど)羅紗(らしや)猩々緋(せう〴〵ひ) 《割書:糸に羽ねを入てをる也 異こくよりわたる らしやにおなじ| 》 羅(ら)背(せ)板(いた)毛(もう)氈(せん)兜羅(とろ) 《割書:らしやより下ひん あるは■等あり らせいたより下ひん| 》 綿(めん)反物(たんもの)麁物(そぶつ)仕立(したて) 《割書:一たん二丈六尺 あらたにしたてるを云| 》 物(もの)古(ふる)手(て)真綿(まわた)摘綿(つみわた) 《割書:ふるく■■【夏ヵ】きたるをいふ ■ひぢかけ等あり 一まい何匁といふ| 》 【紗綾縮緬:紗綾型の模様を織り出した縮緬】 【北絹:室町時代、中国の東京(トンキン)から渡来した黄繭の糸で織った薄い布】 【生絹(すずし):生糸で織ったままで練っていない絹布。軽くて薄い】 【羅紗:紡毛織物の一種。縮絨し毛羽をたてた織目が現れない厚地のもの。】 【猩々緋:「猩々」とは想像上の怪獣。猿に似て体が朱紅色の長毛でおおわれていることから、「猩々緋」は鮮やかな深紅色の事をいうが、その色に染めた毛織物などに用いられた語。】 【羅背板:毛織物の一種。ラシャに似ているが、地が薄く手ざわりが粗いもの。主に赤または藍の無地染め。】 【兜羅綿:「とろ」は綿花の意。綿糸にウサギの毛をまじえて織った舶来の織物。幅は一尺五寸(約50㎝)で色はねずみ色、藤色、薄柿色などが多かった。後には毛をまじえずに織り、国産のものも出来た。】 【麁物:盆、暮に主人から奉公人に与える衣類などをいう】 【古手:古着】 【摘綿:綿、真綿を引き延ばしたもの。小袖の綿入れなどに用いる】 木綿(もめん)麻苧(あさを)紬(つむぎ )肩(かた) 《割書:くさの■ゆで製す くさのかわなり 取つとめのもの| 》 衣(きぬ )袴(はかま )羽織(はをり)同(おなじく )紐(ひも )袷(あはせ) 《割書:■す 同し ■■く■なり 絹もめん■■にてせいす| 》 単(ひとへ )物(もの )帷子(かたびら)夜着(よぎ)蒲(ふ) 《割書:きぬもめんいろ〳〵有 ちゞみさらし有 同じ をなし仕たて| 》 団(とん)蚊帳(かや)風呂敷(ふろしき)手(て) 《割書:かたあり 製品いろ〳〵有 ■人五■■■■| 》 拭(ぬぐひ )帛紗(ふくさ)帯(おび)頭巾(づきん) 《割書:■■のぬひ■■等しな〴〵あり 製し方山岡家十郎なと有| 》 足袋(たび )幷(ならびに )染色(そめいろ)紺(こん) 《割書:白■ん■■■ぼり等あり 又々のこのみにしたがふ 草の■しる| 》 花(はな)色(いろ)浅黄(あさぎ)桧皮(ひはだ) 《割書:■のうすきをいふ 花いろなをうすし| 》 紫(むらさき )鬱金(うこん)木賊(とくさ)茶萌(ちやもえ) 《割書:■■いを■■る 黄いろをいふ くさいろ也| 》 黄(ぎ)蘓枋(すはう)茜(あかね)紅粉(べに) 《割書:すはうは木なり菓ししるを用ゆあかねも大やう同し紅は花を| 》 所(ところ)々(〴〵)染(そめ)入(いり )縫(ぬひ )散(ちらし )籬(まがき) 《割書:せいしもちゆ ぬひもやうは■■■いばら■は正へい上■| 》 之(の)菊(きく)立(たつ)波(なみ )雪(ゆき )折(をれ)笹(さゝ) 《割書:すりこみ等いろ〳〵あり なみあしき体 笹の上に雪つもりしてい| 》 御(ご)所(しよ )車(ぐるま )沢(おも )瀉(だか)地(ぢ) 《割書:御しよにてもちゆるなり 沼などに生たんなり| 》 扇(あふぎ )菱(ひし)輪(わ)違(ちがひ)九(く)曜(よう) 《割書:ぞくにぢかみと云 池に生はんものにて■すち■| 》 四(よ)ツ(つ)目(め)結(ゆひ )巴(ともへ )菊(きく)桐(きり)     《割書:ともへ左右ともあり| 》 柏(かしは )藤(ふぢ)蔦(つた)唐草(からくさ )女(をんな) 《割書:三しなあり からくさは其しないろ〳〵あり| 》 童(わらは )之(の)好(このみ )模様(もやう)恰好(かつこう) 《割書:もやう等人々のこのむところかつかうよくするをいふ| 》 可(べし)_二心(こころ)得(え)_一武士(ぶし)之(の)用(よう) 《割書:さむらひのもちゆるしなをいふ| 》 具(ぐ)者(は)其(その )品(しな )雖(いへども)_レ多(おほしと) 有(あら)増(まし)之(の)分(ぶん)弓(ゆみ)矢(や)鉄(てつ) 《割書:ゆみは重どうその外しな〴〵あり てつほうに大小長| 》 炮(ほう)鎗(やり)長刀(なぎなた)鉾(ほこ)鎧(よろひ) 《割書:たんあり やりの寸尺人々のこのみにしたがひせいす| 》 兜(かぶと )鞍(くら )鐙(あぶみ)泥(あ)障(をり)切(きつ) 《割書:かふとは金■■■種あり あふみはほ■■がは■かし あをりはなめし皮■■| 》 付(つけ )轡(くつわ)手(た)綱(つな)腹(はら)帯(おひ) 《割書:■等いろ〳〵あり くつわの上品すゞむしといひきたひよろし| 》 鞦(しりがひ )鞍(くら )覆(おほひ )鞭(むち)差(さし)縄(なわ) 《割書:くらおほひ■へ■■の■■■しや■■しな〴〵■■あり| 》 扨(さて )又(また )刀(かたな )脇指(わきざし )之(の)拵(こしらへ) 《割書:刀わきざしの寸法人々好あり 右刀■■なくこしらへ同じ| 》 目貫(めぬき)鮫(さめ)縁(ふち)頭(かしら)柄(つか) 《割書:めぬきは■ころ■あり■■外いろ〳〵ふちかしらは赤銅四分外いろ〳〵なり| 》 鐺(こじり )鞘(さや)鎺(はばき)切羽(せつぱ)鵐(しとど)目(め) 《割書:もの■■人々のこのみあり はばき切羽金■んきせと外いろ〳〵| 》 鍔(つば)随(したがひ )_二其(その)好(このみに)_一赤(しやく)銅(どう) 《割書:つばは■ばん鉄■■がん赤どう四分外■品あり ■■■石目外いろ〳〵| 》 真鍮(しんちう)滅金(めつき)素(す)銅(あか) 《割書:しんちう■■しぶ外■立■ すあか目いろ■々| 》 鉄(てつ)象(ぞう)眼(がん)居(すへ)紋(もん)彫物(ほりもの) 《割書:ぞうがんいろ〳〵くにをよし■すへもんは人々の■へわんをほる| 》 細工(さいく)者(は)猶(なほ)可(べき)_レ応(おうす)_二国(くに) 《割書:後とりすちぼり■人多し| 》 所(ところ)時(とき)之(の)風俗(ふうぞくに)也(なり)裏(うら) 《割書:其とき〳〵はやりのこしらへ方あるをいふ ■■■■| 》 物(もの)和(わ)物(もの)之(の)家財(かざい)珊(さん) 《割書:わたる■■へて裏ものといふ さんごえだ外たま■| 》 瑚(ご)瑠(る)璃(り)硨(しや)磲(こ)瑪(め)脳(のう) 《割書:いろ〳〵 さんごにおなじ まへにおなじ まへにおなじ| 》 琥(こ)珀(はく)瑇(たい)瑁(まい)水(すゐ)晶(しやう) 《割書:■まへにおなじ まへにおなじ まへにおなじ| 》 青(あを)貝(かひの )卓(しよく )青(せい)磁(じの)香(かう) 《割書:青がい外らんさんぼり等■いろ〳〵 せいじは土の名■■あをし| 》 爐(ろ)堆(つい)朱(しゆの )香(かう)盆(ぼん)香(かう) 《割書:つい朱にて製しもやう色々ありかたち品々| 》 合(ごふ)蒔(まき)絵(ゑ)梨(な)子(し)地(ぢの)硯(すゝり) 《割書:まきゑはうるしにて金銀てまきもてまきはこもやうを置なしち金をちらし置| 》 箱(ばこ)文(ぶん)庫(こ)文(ぶん)台(だい)筆(ひつ)架(か) 《割書:用紙を入る具 れんが■かいのとき枕に■ ふでを■具| 》 硯(けん)屏(べう)文(ぶん)鎮(ちん)磁(じ)石(しやく)南(なん) 《割書:すゞりのまへにおく具 ■を■さゆる具 方角を見る具| 》 京(きん)石(せきの)目(め)鑑(がね)印(ゐん)籠(らう) 《割書:めがねは■■を■す又細々なる物を見る ■をいれる具に■■■■| 》 巾(きん)着(ちやく )次(つぎに )雑(ざう)具(ぐ)者(は)葛(つゞ) 《割書:きんちやく形色々あり ざうぐは雑事等をさしていふ つゞらは夜ぐ| 》 籠(ら)挟(はさみ )箱(ばこ)櫃(ひつ)長(なが)持(もち) 《割書:等を入る具 挟ばこは■■等を入る具 ひつ長もちしる夜ぐ外道ぐるいを| 》 戸(と)棚(だな)屏(びやう )風(ぶ)箪(たん)笥(す) 《割書:入る具 戸棚は製色々 屏風は六枚一まい色々 ■ねたんす外■■色々| 》 衝(つい)立(たて)襖(ふすま )障(せう)子(じ)簾(すだれ) 《割書:つい立はざしきを仕切具 仕切にからかみと書 せうじ■有之 簾は竹か■■| 》 縵(まん)幕(まく)椀(わん)折(を)敷(しき)湯(ゆ) 《割書:まんまくはどんす等にて■る 折敷は通ひ■ん等に■るぐ ■■のせつ| 》 桶(とう)切(きつ)立(たて)弁(べん)当(たう)食(じき)籠(らう) 《割書:ゆを入るぐ ぬの物は製色々 食物を入る具 食籠は■■■等入るぐ| 》 重(ぢう)箱(ばこ)提(さげ)重(ぢう)行(ふ)【?】蓋(かい)皿(さら) 《割書:ぢう箱製色々 提重はさげの■に製す さら大小有之| 》 鉢(はち)盃(さかづき )燗(かん)鍋(なべ)陶(とくり)錫(すゞ) 《割書:安物■物大小色々 ■■■外色々 かんなべは銅あるいは手製有之| 》 庖(ほう)丁(てう)生(ま)膾(な)箸(ばし )燭(しよく) 《割書:右には製色々 ■な■なるうへは方の■■理人の用る具 しよくだい■■■う| 》 台(だい )行(あん )燈(どう )挑(てう )灯(ちん )短(たん) 《割書:外色々形品々 行燈形いろ〳〵 てうちんはくはかう色々 ■■いは二尺長| 》 契(けい)薬(や)鑵(くわん )茶(ちや )碗(わん )茶(ちや) 《割書:けいは八尺なり やかんは■■■■ね形色々 ■■は形有之 茶ひしやく■| 》 柄(ひ)杓(しやく )鑵(くわん )子(す )盥(たらい )楾(はんぞう )掻(かい) 《割書:■■に用る■■■ ■■■■代茶がまにつる■■のなり かいげは品よく| 》 器(げ )版(はん )銅(どう )碓(からうす )礭(すりうす )等(々々 )編(あみ) 《割書:しなり 版どううは版ひつなり 碓は木にて作 礭は石にて作る ■■は■■ぢ| 》 笠(がさ )傘(からかさ )木(ぼく )履(り )高(こう )直(ぢき) 《割書:べといゝて作る 製いろ〳〵 木にて作る製有之 たかきをいふ| 》 下(げ )直(ぢき )時(とき )所(ところ )見(み )合(あはせ )可(べき)_レ 《割書:やすきをいふ 商せつをかんがへるをいふ| 》 為(たる)_二売(ばい )買(〳〵)_一也(なり )薬(やく)種(しゆ) 《割書:うりかうりかひをせよといふことなり 薬しゆは種々のくすり也| 》 香(かう)具(ぐ )之(の )事(こと)檳(びん)榔(らう) 《割書:香をきくときのぐ 形ち丸しへり有之| 》 子(じ)大(だい)黄(わう)細(さい)辛(しん)阿(あ) 《割書:木のはのごとし色又有■■と■ ほそき■■のねなり 色あかく■| 》 仙(せん)薬(やく)石(せき)斛(こく)阿(あ )膠(きゆう) 《割書:きなり ■■■きもの也 にかはのごとくはふるもの也| 》 貝(ばい)母(も )擉(どく)活(くわつ)甘(かん)草(ぞう) 《割書:色青し ■■■赤くろし 色黄色なり| 》 肉(にく)桂(けい)黄(わう)蓍(ぎ)【耆ヵ】川(せん)芎(きう) 《割書:木の皮也■■■黒しと■をよしとす| 》 当(たう)帰(き )藿(くわつ)香(かう)黄(わう)連(れん) 《割書:  くさなり■■■はらひ薬にたぶんもちゆ| 》 三(さん )稜(りやう )白(びやく)芷(し )陳(ちん)皮(ぴ) 《割書:  白芷は玄入て眉いろなり ちんぴはみかんの皮を云| 》 茴(うい )香(きやう )羌(きやう )活(くわつ )桂(けい)枝(し) 《割書:かいきやうは色赤黒し 色青き木なり 肉けいの枝の皮也と■よし| 》 半(はん)夏(げ )莪(が )述(じゆつ )枳(き)穀(こく) 《割書:はんげは色白し がじゆつは色■■■し きこくといへははらくちの| 》 巴(は)豆(べ)桃(とう)仁(にん)蓮(れん)肉(にく) 《割書:実なり とうにんははもはもゝの■也色白し はすの実なり| 》 杏(きよう)仁(にん)伽(きや)羅(ら )龍(りう)脳(のう)麝(しや) 《割書:あんずの実なり ■■のもくめある木なり しや猫のへそ也【?】| 》 香(かう)樟(せう)脳(のう)沉(ぢん)香(かう)白(ひやく)檀(だん) 《割書:  ぢんかうは■■を■し■といふ 色うすあかし| 》 丁(てう)子(じ)人(にん)参(じん)硫(い )黄(わう)焔(えん) 《割書:てうじは色赤くろし 人参色しろく黄也 ■より生す■なし えん| 》 硝(しやう)緑(ろく)青(しやう )明(めう)礬(ばん)辰(しん) 《割書:しやうも同じ ろくしやう■品あり 染かへしな■製多し 辰は■に| 》 砂(しや)練(ねり)薬(やく)粉(こ)薬(ぐすり )散(さん) 《割書:にてあしくすし ■■■を■■て■をいふ ■■を■■せしをいふ ■■■| 》 薬(やく)膏(かう)薬(やく )全(まつたく )以(もつて )贋(にせ) 《割書:ちうし薬 かうやくは油或は松やにで製す 前にいふ■■■■■■■| 》 薬(やく)種(しゆを )不(ず)_レ用(もちひ )量(かけ)入(いれ)無(なき)_レ 《割書:いろ〳〵のくすり 種あるひは已にてかけ入る也| 》 之(これ )様(やう )正(しやう)直( ぢき )第(だい)一(いち)也(なり) 《割書:  正ぢきは誠ことことの道を守るをいふ| 》 其(その)外(ほか)山(さん)海(かい)之(の)魚( ぎよ )鳥(ちやう) 《割書:やまにすむはとり海にすむは魚なり鳥にも水鳥あり| 》 鶴(つる)雉(き)子(じ)雁(がん)鴨(かも)雲(ひ)雀(ばり) 《割書:丹はなべづる也 野にすむ鳥也 秋来り春かへる 水にすむ也 夏の鳥也な高く飛【?】| 》 白(はく)鳥(ちやう )鷺(さぎ )鶫(つぐみ )鳩(はと)鴫(しぎ) 《割書:色しろく大鳥也 きしに二種あり白鷺五位さぎ等なり 鴫は秋の鳥也| 》 鯛(たい )鯉(こい )鮒(ふな )王(か)余(れ)魚(い)鱸(すずき) 《割書:色赤し 鱒■■は■ 池にて生■ かれいはほしかれいむしかれい等あり| 》 鱠(き)【鱚ヵ】残(す)魚(ご)鱧(はも )鯵(あぢ )魴(まながつほ)【鯧ヵ】 《割書:  きすは■ちやしく■に■■ あぢは大の魚なり ■■■事| 》 鮑(あわび )鱒(ます )鯖(さば )烏(い)賊(か)辛(に) 《割書:■■住せは色々 ■■■にて用ゆ いろに二しなあり ■には貝にて| 》 螺(し)蛸( たこ )海(くら)月(げ)海(ゑ)老(び) 《割書:中に肉あるをた■■■也くらげはまくに似たり いせゑび車ゑび■■ゑび等也| 》 牡(か)蛎(き)蛤(はまぐり)馬(ま)刀(て)蜆(しゞみ) 《割書:かき貝ま■に■いす 蛤大小あり までは江戸に多く生ず| 》 鮎(あゆ )鱜(きやう)鮭(さけ)塩(しほ)引(ひき)干(ひ) 《割書:若■のまゝ秋はさびあゆ也 松まへ■■に多く生するなり ひらきしほ| 》 鱈(だら)塩(しほ)鰤(ぶり)煎(いり)海鼠(こ) 《割書:にてへくる也 ■にてつける也 まげ物つぼなどへうる也| 》 鯨(くじら )百(ひやく )尋(ひろ )鯣(するめ )松(かつ)魚(ほ) 《割書:■づけ■る今はすくなし するめも味上品なり 土佐上品其外しこくゟ| 》 節(ぶし )鰯(いわし )鯷(ひしこ )等(とう)也(なり)諸(しよ) 《割書:きたる也 ほしかに■る いわしに似て小さき魚なり| 》 国(こく)之(の)名(めい)物(ぶつ )依(よつて)_レ無(なきに)_二際(さい) 《割書:くに〴〵よりいづる産の名はかぎりなきをいふなり| 》 限(げん )令(せしめ)_レ略(りやく)_レ之(これを )訖(おはんぬ )右(みぎ) 《割書:  りやくすといふはなかばにしてやむることをいふ也| 》 之(の)品(しな)々(〴〵)前(ぜん)後(ご )雖(いへども)_レ内(たりと)_二 《割書:いろ〳〵あとさきになることをいふなり| 》 混(こん)乱(らん)_一唯(たゞ)初( しよ )学(がく)之( の )童(わらんべ) 《割書:こんらんといふはしな〴〵の事がまじるをいふしよがくのわらんべは| 》 平(へい)生( ぜい )可(べき)_二取(とり )扱(あつかふ)_一文(もん)字(じ) 《割書:諸げいならひはじめの事をいふ| 》 迄(まで )任(まかせ)_二思(おもひ)出( いづるに)_一粗(ほゞ)令( しむる)_レ馳(はせ) 《割書:  かんがへいだしあらましをしるすをいふなり| 》 筆也(ふでをなり )抑(そも〳〵)生( うまるゝ)_二商(しやう)売(ばい) 《割書:ふでをはせるはふでにてかく事をいふ しやうばいのいへに生| 》 之(の)家(いへに)_一業(ともがら)者(は)従(より)_二幼(えう) 《割書:るゝは町家あきなひをするいへをいふ 幼稚といふは子どもの| 》 稚(ち)之(の)時(とき)_一先( まづ )手(しゆ)跡( せき )算(さん) 《割書:ときよりといふこと しゆせきさんじゆつの事はまへに| 》 術(じゆつ)執( しゆ )行(ぎやう )可(べき)_レ為(たる)_二肝(かん)要(えう)_一也(なり) 《割書:いづる執ぎやうはけいこすることをいふ かんえうとはそのこと専一といふこと也| 》 然(しかし)而(て)歌(うた)連(れん)歌(が)俳(はい)諧(かい) 《割書:歌は冷泉家とてい連歌は紹巴などはいかいは芭蕉其かく等なたかし| 》 或者(あるひは)立(りつ)花(くわ)香(かう)道(だう)蹴(しう) 《割書:■■は■■流古流■■流などゆ■の■うへ■■など| 》 鞠(きく)茶(ちや)之(の)湯(ゆ)謡(うたひ)舞(まひ) 《割書:しうきくはけまりなり是は殿上人のもてあそびうたひはうたなり下ばゝり| 》 鼓(つゞみ )太(たい)鼓(こ)笛(ふへ)琵(び)琶(わ) 《割書:とて■■の■■■也  びわはけんざ■うにて■■■るなり| 》 琴(こと)等( など )稽(けい)古(こ)之(の)儀(ぎ)者(は) 《割書:ことは山田生田八ツ橋等なり当時は小女のもてあそぶ事なり| 》 家(か)業(ぎやう )有(あら)_二余(よ)力(りよく)_一者(ば)折(をり) 《割書:■いへ〳〵なりいへひまあらばすとしはといふことなり| 》 々(をり)者(は)心(こゝろ )掛(がけ )可(べし)_二相(あい)嗜(たしなむ)_一 《割書:  しかしながらふかくみちにいれば自ぜん家ぎやうさゝはるべし| 》 又(また)者(は)碁(ご)将(しやう)棋(ぎ)双(すご)六(ろく) 《割書:碁は■■より吉■公つたへて■■将棋すご六当時所よりわたる| 》 浄(じやう)瑠(る)璃(り)小(こ)歌(うた)三(さ)味(み) 《割書:小野■■■元祖小うたは河東■■江戸ぶし長うた常磐津節幷清元新内| 》 線(せん )長(ちやうじ)_二酒宴(しゆえん )遊興(いうきやう)_一 《割書:色々あり  酒えんいう興長たるときは夜を日としてあそひにふける| 》 或(あるひ)者(は)不(ざる)_レ応(おうぜ)_二分(ぶん)限(げんに)_一餝(かざり)_二 《割書:をとゞむる■也分ふくも■につぐなるたけそふくを用ゆべし| 》 衣(い)服(ふくを)_一家宅(かたく)泉(せん)水(すゐ) 《割書:■■さくもかきりなきものせんすゐつきやま等は平人にはいらぬ物也| 》 築(つき)山(やま)樹(じゆ)木(もく)草(さう)花(くわ) 《割書:じゆもく草くわなど■いてとゞむる等はあら■尊金のしなをもと| 》 之(の)楽(たのしみ)而(の)已(み)費(ついやす)_二金(きん) 《割書:めずあきなひたうにさゝはらざるやうにすべし| 》 銀(ぎんを)_一事(こと )誠(まことに)無益(むゑき)之(の)至(いたり) 《割書:金ぎんの尊きことはいはずともしれりむゑきのことをは■きほどこす| 》 衰(すい)微(び)破(は)滅(めつ)之(の)基(もとゐ)歟(か) 《割書:こすへきは■ど也しゆんしよくもすいびのもとゐなるべしつゝしむべし| 》 惣(そうじ)而(て)見(み)世(せ)店(たな)奇(き)麗(れい) 《割書:すべてみせたなみぐるしきなきやうかざりつけひくべし| 》 挨(あい)拶( さつ)応( おう)答( たう)饗( きやう)応(おう) 《割書:平日きやくのあしらひ聞にいたるまでていねいにするべき事なり| 》 可(べし)_レ為(たる)_二柔(にう)和(わ)_一大(おほひに )貪(むさぼり)_二 《割書:かりそめにもふあしらいすべからすとなり| 》 高(かう)利(りを)_一掠(かすめ)_二 人(ひと)之(の)目(めを)_一 《割書:大に高利をむさほりいつわりものをひさきなどすましき事なり| 》 蒙(かふむら)_二 天(てん)罰(ばつ)_一者(ば)重(かさね)而(て) 《割書:てんかにそむけは罰せんみやうりつきるべし| 》 問(とひ )来(きたる )人(ひと )可(べし)_レ稀(まれなる )恐(おそれ)_二 《割書:とひきたる人なきときはすまひ目のあたりなり星天はせのしく?| 》 天(てん )道(たうを)_一働(はたらく )輩(ともがら)者(は)終(つひに) 《割書:るなるべし天のみちにかなへはかなひ下々まて和合して其いへ| 》 富(ふう)貴(き)繁(はん )昌(じやう)子(し)孫(そん)栄(えい) 《割書:いよ〳〵善事のみこたからしそんもなかくつゞきはんえいうたがひ| 》 花(ぐわ)之(の)瑞(ずい)相(さう)也(なり)倍(ます)々(〳〵) 《割書:あるべからすすべて一たんの利をはからるべからず大よくは大ぞんの| 》 利(り)潤(じゆん ) 無(なき)_レ疑(うたがひ )条(でう)仍(よつ)而(て) 《割書:はじめとしるへしつゝしむべき事なり| 》 如(ことし)_レ件(くだんの)  東都  文江堂梓 消息往来絵抄 突語義絵抄 庭訓往来絵抄 古 状 揃 絵 抄 女大学絵抄 七ツいろは絵抄 三 字 義 絵 抄 千字文絵抄 百姓往来絵抄 名頭国尽絵抄 用文章絵抄 同   二編 同   三編 右絵抄之儀は御幼抜之御方々御手近に差おかれ候 はゝ御たい屈なく自然と御熟読に相成候ため此後 品々追々出板仕候間御求め可被下候       馬喰町二丁目  東都書林      吉田屋文三郎板 【裏表紙・文字なし】