《割書:うきよ|げむじ》 五十四帖下 うきよ  げむ   じ   下の巻 君が身をはなれぬ    ねやの白扇さへ  あきたちてこそわすられに             けれ 薄雲 〽これそのやうにはづかし がらずともこちらを むき  やれ 初心(しよしん)めか   して どうしたものぢや  〽それでもわたくしは    はつかしくてなり     ませぬアレ        たれか      まいりま        せうに      エヽモどう      いたしませう       フム〳〵〳〵〳〵       〽それ        みやれ        ぢきに         だす         では         ない          か 朝顔 〽どうも このよさは なんとも   かとも  いはれぬ 乙女 〽わたしはもう〳〵うれし くて〳〵はやくおまへと ふうふになり たいねへアヽモウ いつそよ   いよ 〽けふもこれで二度   こんな事をするが     よるいつしよに     ねられ      ないから     ふぢゆうだ      そのかはり      ふうふ        に      なつた        ら      ちう       や      いれ      づめ       に      しよ      う 胡蝶 〽マアちよつと にぎらせて    おみせ ヲヤおそろしく かたくなつて そして火のように あつくツて どき〳〵〳〵   ひゞいて ひよい〳〵はね かへるようだよ エヽもう どうせう  わた   しやア   こたへ  られ   なく  なつたから  はやく入て   おくれ 〽ホイこりやア つばきを   つける  にはおよば     ねへ   おそろ    しく    ぬら〳〵    だし    かけた    かう    なつ    ちや     ア    おれ      も    こたへ    られ     ねへ 蛍 〽こへはせでみをのみこがすほたるこそいふより  まさるおもひなるらめとやらもうす   うたのみほか心のたけを申してあげる           たよりもなくどうぞ           してもういちど            おめにかゝりたい〳〵            とまいにち〳〵            あなたのことばかり             おもつており              ました             そのねんが             とゝいて               もう〳〵〳〵             うれしくて                〳〵              フン〳〵〳〵〳〵              アヽ〳〵〳〵              きを              やる処             〽どく〳〵〳〵              ぬら〳〵            〽ハア〳〵〳〵                〳〵 〽それは わたし とても おなじこと  どうぞ〳〵と  おもひおもつた   けふのしゆび   こんなうれしいしまりのよい    きみのよい事はついぞ      おぼへぬアヽどうもひとりでに     気(き)がいきそうになつてアヽいく〳〵フウ〳〵〳〵               いんすゐ〽どく〳〵〳〵〳〵      〽此あつさ          に      ほかの       ざしき      ではなか〳〵     とぼせねへ    まだ未刻(やつ)    ごろの    日ざかりだが   この見はらしは   なんとなつ  しらずであらう しかしてめへのぼゝが  いゝせへかぢきに  気(き)がいきそうに  なるのをこらへ     よう〳〵と   骨(ほね)をおる    ものだから   どこもかも  びつしより あせに   なつた アヽどうも  もう〳〵  これは  たまら   ねへ   〳〵    〽フウ〳〵〳〵〳〵    アヽ〳〵〳〵ウヽ       〳〵〳〵    わたしも     こんなに    しぼるほど    あせになつ   たはねアヽ   もう〳〵〳〵   フン〳〵〳〵エヽ   いきそう   だよアヽ   かんじんの   ところで   なぜ   おぬき    だよ 〽ヲツトいつ しよにきが いくときは ぬきさして きをやら ねへと子に なつたとき  めんどう     だ 常夏 篝火 〽夏(なつ)の ぼゝは庭(には) さきにかぎる きがはれ〴〵 してすゞ しくて  いゝ 〽アレサだし ぬけにびつくり したはねこんな ところでしな いで 内 へ はい つて かやの なかで ゆつくりと したらよさ そうな もんだ ねへ 浮世源氏(うきよげんじ)五十四情(ごじふよじやう)下の巻                薄雲(うすぐも) いりひさすみねにたなびく薄雲(うすくも)はひかりかゞやく尼鳳山(にほうざん)名双寺(みやうそうじ)の客殿(きやくでん)に錦(にしき)の 袴(はかま)振(ふり)の袖(そで)いとやごとなき若君(わかぎみ)こと表(おもて)をつくらふ見世(みせ)かけ姿(すがた)なにかしさいの有磯(ありそ) 海(うみ)まことは阿古木(あこぎ)が娘(むすめ)の磯名(いそな)まだうい〳〵しき昼交(ひるど)りはいわねどしるき光君(ひかるきみ)磯(いそ) 名(な)はいつそはづかしげに〽ついに仕(し)つけぬ此(この)ようなとのごのような形(なり)をしてどうやら人(ひと) に見られるようで爰(こゝ)へ来(き)てまで誰々(たれ〳〵)も男(おとこ)あしらひかたくろしいそのあいさつの辺(へん) 事(じ)さへ何(なん)といふてよからうやらわたしやどうせうかト思(おも)ふたわいな〽このしどけない とりなりがまたひとしほにうつくしいやかたのうちではいつとても人目(ひとめ)にたつをいとふが 故(ゆゑ)得白(しら〴〵)はなしも得(え)ならねば今日(けふ)爰(こゝ)の客殿(きやくでん)にてゆる〳〵そちとかたらわんため 住持(ぢうぢ)をはじめ僧(そう)等(ら)にもそちを男(おとこ)と思(おも)はせたれば葷酒(ぐんしゆ)さへもいましむる此(この)梵刹(ぼんざつ)の 客殿(きやくでん)にて此(この)ような生物(なまもの)を賞翫(しやうくわん)するを誰(たれ)あつてふつに心(こゝろ)のいかぬといふはなん一(いち)だん よい趣向(しゆかう)であらうがなト入(いれ)たるへのこをぬき出(いだ)し又(また)突込(つゝこん)でたのしみながら〽是(これ)まで 遊所(いうしよ)にいたるゆへ見(み)なれ聞(きゝ)なれせし故(ゆゑ)にや先頃(さきごろ)水上(みづあげ)せし折(をり)よりいちはやく巧者(かうしや)づ き不束(ふつゝか)ならぬ取(とり)まはし莟(つぼみ)と盛(さかり)のたがひはあれどそちが母(はゝ)の阿古木(あこぎ)と大(おゝ)きな違(ちが) ひ苦界(くがい)にいても年(とし)ゆかねば男(おとこ)に肌(はだ)をふれざる故(ゆゑ)開中(かいちう)のやわらかさ誠(まこと)に真綿(まわた)の ごとくにて陰茎(へのこ)の根(ね)よりいちめんに喰〆(くひしめ)るがごとくなりケ(か)程(ほど)にしまりの能(よき)開(ぼゝ)は 是(これ)までさらにおぼへぬト数多(あまた)の女(をんな)を好(すき)自由(じゆう)にされでもなれでもとぼしぬき何百(なんびやく) 人(にん)となき開(ぼゝ)の数(かず)心見(こゝろみ)給ひしさすがの君(きみ)も我(が)を折(をり)給ひまだとしゆかぬこの磯名(いそな)が 玉門(ぎよくもん)に喰〆(くひしめ)られこらへずスウ〳〵フウ〳〵ト猶(なほ)おしこんでよがりの鼻(はな)いき入れたへのこへ ひつたりと喰(くひ)ついている如(ごと)くなるかたきしまりにぬきさしもゆるやかならぬをグウ〳〵 トさしこみぬきあげするほどに磯名(いそな)はハア〳〵スウ〳〵〳〵かあゆき尻(しり)をふり廻(まは)し開(ぼゝ)の奥(おく)よ り湯(ゆ)よりもあつき淫水(いんすゐ)がどく〳〵〳〵トながれ出(だ)しへのこにしみる心(こゝろ)よさ是(これ)にて へのこはいよ〳〵いかり開(ぼゝ)にはびこりいかんともせんかたなしと思(おも)ふうち磯名(いそな)が気(き)をや りおびたゞしくあぶれだしたる淫水(いんすゐ)のぬめりにさすがの大陰茎(おゝまら)が毛(け)ぎはまで はいりしかば其(その)まゝすか〳〵早(はや)ごしにとゞかせ〳〵どく〳〵〳〵どつく〳〵ト気(き)をやれば いそなも男(おとこ)の淫水(いんすゐ)が子宮(こつぼ)につう〳〵ドキ〳〵トこたへる気味(きみ)よさこゝろよさハア ハア〳〵〳〵スウ〳〵ト間(ま)もなくふたゝび気(き)がいき出(だ)しにへゆのやうな淫水(いんすゐ)が共(とも)にどく どくぬる〳〵〳〵ハアヽフウヽト両人(りやうにん)がこらへかねたる大(おゝ)よがりふすまの外(そと)にはさいぜんより 二人(ふたり)がそぶり心得(こゝろえ)ずとうかゞひ寄(よつ)たる田貫(でんくわん)馬刀(ばとう)このありさまを聞(きく)よりもくみつ とせきたちかねてのたくみ。とよしの前(まへ)より内意(ないい)の通(とほ)り是(これ)をおちどに目(め)にもの 見(み)せんと飛入(とびい)らんとしたりしがあまりのよがりに気(き)をうぱはれ左(さ)なきだにさへ おへがちなるまことや坊主(ぼうず)の徒然(とぜん)陰茎(まら)木(き)のごとくにおへかへれば邪魔(しやま)になりては たらきも是(これ)では自由(じいう)になるまじト残念(ざんねん)ながら両人(りやうにん)はへのこを我手(わがて)ににぎ りつめ一(ひ)ト(と)間(ま)のよがりを耳(みゝ)にもうけ夢中(むちう)になつている所(ところ)へいつの間(ま)にやら村荻(むらをぎ) 空衣(からぎぬ)田貫(でんくわん)馬刀(ばとう)は是(これ)さいわひト二人(ふたり)の坊主(ほうず)ふたりの女(おんな)に抱(だき)つくにぞ〽エヽいやらしい ト空衣(からきぬ)村荻(むらをぎ)一度(いちど)にはつしとつきたをせば足(あし)もしどろの田貫(でんくわん)馬刀(ばとう)のけさまに たおれるひやうしはづみきつたる一物(いちもつ)を田貫(でんくわん)柱(はしら)に突懸(つゝかけ)るに淫水(いんすゐ)走(はし)ツてツウ ツウ〳〵馬刀(ばとう)もへのこをかくさんトおさへる手先(てさき)へドク〳〵〳〵この物音(ものおと)に一(ひ)ト(と)間(ま)のふすま さつとひらいて声(こゑ)たかく〽女犯堕落(によぼんだらく)のふとゞきやつそこ一寸(いつすん)もうごくまいぞ          朝顔(あさがほ) 見(み)しをりの露(つゆ)わすられぬあさがほのはなのさかりを丸髷(まるまげ)に女房(にようぼ)かたぎの新世(あらぜ) 帯(たい)昼(ひる)も箪笥(たんす)の鐶(くわん)がなりト世(よ)のことわざも嘘(うそ)ならずたがひに思(おも)ひおもはれて 夫婦(ふうふ)となつたら思(おも)ふまゝそして斯(かう)してどうしてと明(あけ)ても暮(くれ)てもとにかくにあわ れぬつらさをかこちしも願(ねが)ひかなふて今(いま)ははや世間(せけん)はれてのふうふ中世帯(なかせたい) 半分(はんぶん)はんぶんはまづ交合(すること)がかんじんト何(なに)がたがひにめづらしければ中(なか)〳〵夜(よる)の睦(むつ) 言(ごと)が残(のこ)る暑(あつ)さの蚊帳(かや)のうち〽モウ夜(よ)が明(あけ)てしまつたようだよ〽夜(よ)が明(あけ)たとて 今日(けふ)は誰(だれ)も来(く)るものはなしかまふ事(こと)があるものかそりやアそうと小便(せうべん)をして 来(く)るから床(とこ)をあげずに置(おき)なよ真裸(まつはだか)で椽側(えんがは)の戸(と)を明(あけ)庭(には)に朝顔(あさがほ)がさかり にひらきいるを見(み)て〽今朝(けさ)は能(いゝ)のが大(たい)そうに咲(さい)た〽ドレエト寝間着袷(ねまきあはせ)のまゝ帯(おび) ひろどけにて同(おな)じくゑんがわへ出(で)て〽ホンニ美(うつく)しく咲(さい)たねへ〽此(この)朝顔(あさがほ)にやアかなは ねへと女(おんな)の頬(ほう)べたをちよいとつツつく女(おんな)はにつこり〽マア真裸(まつはたか)で大(おゝ)きな物(もの)をぷら〳〵 出(だ)して見(み)つとむないはやく小用(てうづ)をして着(き)ものをおきよ〽まだねむくつてならねへ から小便(せうべん)をしてもう一(ひ)ト(と)寝(ねい)入りねるつもりだ〽あきれかへつた寝(ね)ぼうだよ〽それで も夜前(ゆふべ)はてめへのおかげでまんじりともしやアしねへ〽フンむしのいゝ事(こと)ばつかりそれ だからわたしが又(また)あしたねむいからもうお寝(ね)といつたのに〽それでもおれがうと〳〵 寝(ね)ようとすると陰茎(まら)を握(にぎ)つたりひねくつたりしておゆかさせるもんたからつい又(また) かゝりあふ気(き)になるのだ〽アレ何処(どつ)かへ聞(きこ)へると外聞(ぐわいぶん)がわるいわね〽ドレもう漏(もり)さう になつた〽どうりでふくれかへつているよ〽コレサさわるな爰(こゝ)で漏(もらす)と大(たい)へんだト小(こ) 用所(ようじよ)へ行(ゆき)ひよぐりしまい早々(さう〳〵)床(とこ)へはいり〽モウ蚊帳(かや)をはづしたなマア一寸(ちよつと)爰(こゝ)へ来(き)な 不思儀(ふしぎ)な事(こと)があるから〽何(なに)がへ〽今(いま)小便(せうべん)をしたら鈴口(すゞぐち)に何(なに)かさわるようなものが 出来(でき)たやうだがどうかしやアしねへか見(み)てくりや〽ばからしいどうするものかね〽そ れでもいら〳〵するようだから一寸(ちよつと)見(み)てくりや〽どれト陰茎(へのこ)のあたまをつまんで 見(み)ているうちによつきりとおへる〽ヲホヽヽヽヽ是(これ)かへ〽そこだ〳〵〽いやだよ紙(かみ)のけ ばかこびついていたのだよ〽おきやアがれあんまり交(し)たから陰茎(まら)のさきへさゝくれが 出来(でき)たかと思(おも)つた。取(とつ)てくりや〽とつてしまつたよ〽とつたらてめへをももう一(いち)ぱん とつてやらうト女(をんな)をだき上け寝起(ねおき)におへきつたへのこを居茶(ゐぢや)うすに下(した)からぐつ と毛(け)ぎはまでぬる〳〵〳〵トおしこむト女(をんな)はしつかり抱(だき)つき〽いつてよくとゞくよか うしてするのもとんだいゝねへ          乙女(おとめ) をとめ子(こ)が神(かみ)さびぬらしあまつそでふりのたもとやぬれそめておさなどう しのためごと〽先頃(せんど)己待(みまち)の晩(ばん)に歌(うた)がるたをとつて皆(みんな)がどこかへいつておまいとわ たしとふたりになつた時(とき)わたしがいつた事(こと)を覚(おぼへ)ておいでか〽アヽ先頃(せんど)泊(とまり)にまいつ た時(とき)の事(こと)かへ〽さうさ〽ヲホヽヽヽ〽わすれておしまいか〽ヲホヽヽヽ〽なんだねそんなにわら つてばかりいてわすれておしまいだらう〽いゝヱ〽それぢやアなんといつたへ〽わたしの 言事(いふこと)をきけとお言(いゝ)のかへ〽さうさそれから二三日(にさんち)過(すぎ)るとおまへは内(うち)へかへつて夫(それ)から ちつとも来(こ)なかつたが内(うち)へかへつておまへのおつかアに私(わたし)の言(いつ)た事(こと)をお言(いゝ)ぢやアな いか〽ヲヤなんぼわたしのようなもんだといつてそんな事(こと)を何(なに)いゝますものかね〽そんな ら能(いゝ)がおまへは何(なん)と思(おも)つておいでだоヱоどうてもいやかへоヱコレサいやならいやで いゝから何(なん)とでもへんじをしてお聞(きか)せよト娘(むすめ)の手(て)をにぎると真赤(まつか)になつてうつむ き顔(かほ)に袖(そで)をしつかりあてゝぶる〳〵〽コレサ否(いや)ならいやとたつたひと言(こと)いふばかり だわね何(なん)とかいつておくれよコレ〳〵トゆすぶれどもぐウともすつとも返事(へんじ)なく だん〳〵かたく身(み)をちゞめてどう気(き)をもんでも一向(いつかう)だんまりなれば〽これоなく のかへоコレоコレоそんならもうよすからお泣(なき)でないしつゝここいことを言(いつ)てわたしがわる かつたから堪忍(かんにん)おしサアもうおなきでないト顔(かほ)へあてた袖(そで)をむりやりに引放(ひきはなす)と はづかしさが一(いち)ぱいでどうしたらよからうといふ顔(かほ)でоにつこり〽そんならおまへ承(しやう) 知(ち)かへトぐつと引寄(ひきよせ)はづかしがるをむりに口(くち)を吸(すい)かゝれば自由(じゆう)になつて吸(すは)せている ゆゑもうこつちのものト力(ちから)かぎりにざきしめて〽(わかしゆ)ヱゝどうもかわいゝねへ         玉葛(たまかづら) 恋(こひ)わたる身(み)はそれなれど玉(たま)かつらいかなる縁(えん)の糸(いと)すじにや初瀬詣(はつせもうで)の道(みち)のつ れоついに見(み)もせず逢(あひ)もせず知(し)らぬどうしの行合色(ゆきあいいろ)初対面(しよたいめん)から相惚(あひぼれ)にいつ の間(ま)にやら言(いゝ)かはし今夜(こよひ)たがひにこもりくの初(はつ)の逢瀬(あふせ)にそろ〳〵トかすかに 見(み)ゆる御燈(みあかり)の光(ひかり)を目あてに忍(しの)びよりふたりはこゝろのせくまゝに物(もの)をもいわ ずいだき付(つき)まづいきなりに股(また)ぐらへぬつと手(て)を入(いれ)玉門(ぎよくもん)をくぢりかゝるにもと よりもさせる心(こゝろ)で忍(しの)びし事(こと)ぬら〳〵出(だ)しいるうるほひに男(おとこ)はうれしさたまり 得(え)ずこなたも交気(するき)でおやして来(き)たへのこをすぐに入(いれ)かけるにうるほひながらも まだ生娘(きむすめ)とかくすぐにははいらねば是(これ)ではゆかぬト引(ひき)しりぞけつばきこて〳〵 かりくびへぬりまはしてふたゝびあてがひぐつとひとおし押(おし)ければ程(ほど)よくぬるりと はまりしうれしさもう是(これ)からはらくなりトそろり〳〵とつかひかけよう〳〵根(ね)迄(まで) おしこめば娘(むすめ)はしきりに鼻息(はないき)せわしくウン〳〵フン〳〵いゝさまにどく〳〵出(いだ)す心(こゝろ)の水(みづ) 男(おとこ)は得(え)たりと大腰(おゝごし)小(こ)ごし汗(あせ)みづながしてすつかすか娘(むすめ)はスウ〳〵ハア〳〵〳〵アヽ〳〵ど うもフウ〳〵〳〵男(おとこ)も無言(むごん)でスウ〳〵〳〵ハア〳〵〳〵〳〵ト一心不乱(いつしんふらん)娘(むすめ)は廊下(らうか)の板敷(いたじき)へ 尻(しり)をすりつけすりまはしハア〳〵スウ〳〵はないきもろともふたり一度(いちど)にどく〳〵〳〵 実(げ)にや動穴廻廊(どうけつくわいらう)の契(ちぎり)を爰(こゝ)に結(むす)びげり        初音(はつね) とし月(つき)をまつにひかれてふる人(ひと)にけふ鶯(うぐひす)のはつねの床(とこ)〽はつ春(はる)早々(さう〳〵)日(ひ)ごろの 願(ねが)ひがかなつてこんなうれしいめでたい快事(こゝろよいこと)はまたとはあるまいホイ是(これ)はしたり おまへの心(こゝろ)もしらずにわたしばかり此様(こんな)ことをいふこともないね〽ヲヤどういたしま せうわたくしこそうれしくて〳〵いつでもお正月(しやうがつ)はうれしいと思(おも)ひますが此(この)ように 嬉(うれ)しいお正月(しやうがつ)はついぞおぼへません〽それでは外(ほか)のお正月(しやうがつ)もたび〳〵なさつたら わたしなぞのようなお正月(しやうがつ)はおめづらしくもありますまい〽ヲヤその事(こと)ではござい ませんいつもいたすと申たのは只(たゞ)のお正月(しやうがつ)のお正月(しやうがつ)の事(こと)であなたとこのような事(こと) をいたすお正月(しやうがつ)はまことにもう〳〵うれしいお正月(しやうがつ)でついぞ此(この)様(よう)な事(こと)をいたしたお正(しやう) 月(がつ)はございませんからそれで此(この)様(よう)なお正月(しやうがつ)はヱヽモウなんだかわたくしにもわか らなくなりましたアヽもう〳〵〳〵フン〳〵〳〵外(ほか)に此(この)ような事(こと)をいたした事(こと)はござ いませんからその申わけをいたそうトぞんじてもなんだかモウ〳〵フン〳〵〳〵〳〵ぞんじ もしない事(こと)をおつしやるからわたくしは〳〵〽ハヽヽヽヽぜうだんに言(いつ)たのだからかん にんおしおまいにかぎつてそんな事(こと)のないといふのは知(し)つているよ〽それでもあな たがうたがつておいでなさるかとぞんじて気(き)になつてなりません〽わるい事(こと)を いつておまへに気(き)をもませたかんにんしておくれサア〳〵もうわたしもいきそうにな つてアヽどうも〳〵フン〳〵〳〵〽ほんとうにけふがはじめてだからそうおもつておくんなさい ましよ〽もういゝわねおまいがはじめ痛(いた)がつたので新開(あらばち)は知(し)れきつているわね〽はづか しいそんな事(こと)をおいゝなさいますなよアヽモウフン〳〵〳〵〳〵〳〵アヽいくよ〽其(その)心(こゝろ)ねがかあいくつ てたまらないト男(おとこ)も一時(いつしよ)にドク〳〵〳〵庭(には)の梅(うめ)の枝(えだ)にて鶯(うぐひす)の初音(はつね)〽ホウほけき やう         胡蝶(こてふ) 花園(はなぞの)のこてふさへやよそへぐさふたりたわむれ睦(むつひ)あひついてんがらが誠(まこと)となり さア為犯様(させう)なり交(し)ようなりいわずかたらず割(わり)こんでべつたり付(つけ)たる花(はな)の露(つゆ)〽に くらしいよ〽人(ひと)じらしめとうするか見(み)ろ〽ニイ引かつてにしろ〽泣(なく)ときかねへぞ〽おまいこ そお泣(なき)でない〽其(その)口(くち)をわすれるなト陰茎(へのこ)を開(ぼゝ)へぬつと入(いれ)る〽アヽ痛(いた)〽それ見(み)ろま けたらう〽ヱヽぢれつたいトしがみ付(つく)ひやうしに半分(はんぶん)余(よ)までぬつと入(いれ)る〽アヽほんとう に痛(いたい)よ〽がまんしねへなト小腰(こごし)にすか〳〵すか〳〵むしやうに腰(こし)をはやめて遣(つか)ふに娘(むすめ)は スウ〳〵いひながらさきばしりの淫水(いんすゐ)をぬる〳〵〳〵ト出(だ)しかければ男(おとこ)はしめたト大腰(おゝごし)に ぬう〳〵ぬつト根(ね)まで入(い)れすり〳〵トやりかけるに娘(むすめ)はハア〳〵ハア〳〵〳〵アヽもうなん だかせつないようだよ〽やかましいだまつていねへト陰茎(へのこ)の先(さき)で秘術(ひじゆつ)をつくしいちばん うまく気(き)をやらせんト口(くち)から奥(おく)までまんべんなくきうしよをこすつてぐつさぐさ娘(むすめ) もしきりに美快(よく)なりしや反返(そりかへ)り目(め)をねふりフウ〳〵スウ〳〵鼻息(はないき)もいとくる しげなるよがり顔(がほ)見(み)るに男(おとこ)はたまりかねたちまちへのこがびよく〳〵〳〵既(すで)に気(き)の いく其(その)期(ご)にいたりぐつト子宮(こつぼ)へ奥(おく)ふかくへのこを突込(つゝこむ)そのはづみ娘(むすめ)はハアヽヽト正(しやう) 体(たい)なく喜悦(よがり)の鼻息(はないき)もろともに能(よい)気味(きみ)凝(こつ)たる溜淫水(ためいんすい)いちどに子宮(こつぼ)をつ つくりかへし陰茎(へのこ)のあたまへドク〳〵〳〵ドクリ〳〵トかゝるとき男(おとこ)も一時(いつしよ)にツウ〳〵〳〵ドツク〳〵ト やり仕廻(しまい)其(その)まゝずぼりト引抜(ひきぬけ)ば娘(むすめ)は濡開(ぬれぼゝ)ちやつトかくしぬらつく股(また)ぐらゆもじ でふき〽ヱヽにくらしいト男(おとこ)は脊中(せなか)を手(て)ひどく掌(ひらて)でぴつしやり打(たゝき)飛(とぶ)がごとくに迯(にげ)て ゆくかゝる所(ところ)へ来(き)あわすは同じ友(とも)なる若男(わかおとこ)是(これ)もとうからかの娘(むすめ)をねらいすま していたりしが今此 様子(やうす)にくやしがり時節(じせつ)を待(まつ)て由断(ゆだん)のうちはや友 達(だち)に新開(あらばち) わらせ虫(むし)がついてはもうゆかぬト惚(ほれ)た子寵(こてう)もうらかへに秋待虫(あきまつむし)のそれならて 疎(うと)く思ふもことはり〳〵         蛍(ほたる) 声(こゑ)はせで身(み)をのみこがす夏虫(なつむし)のいわぬは言(いふ)に増(ます)思ひ同じおもひにしたひ来(く)る 庭(には)の遣(や)り水恋の山 築(つき)山めぐりて忍(しの)び足(あし)心(こゝろ)も空(そら)に飛石(とびいし)づたひ飛(とび)かふ蛍(ほたる)をた よりにてこがれよるべの恋の闇(やみ)椽(えん)さきちかく身をひそめ椽(えん)の板(いた)じきほと〳〵ト 合図(あいづ)をすれば最前(さいぜん)よりしのんで待(まち)し此 家(や)の娘そつとすり寄(よ)るそのけわい蛍(ほたる) 籠(かご)のひかりにてはつかに見かわす顔(かほ)とかほ〽よく忍(しのん)て来ておくれだね〽おまい もよく待(まつ)ておいでだねト其まゝ手に手を握(にぎ)り合(あひ)胸(むね)とゞろかせていたりしが男は そろ〳〵椽(えん)の上(うへ)すぐに割込(わりこみ)前(まへ)かきわけさぐる手 先(さき)にからまる二布(ふたの)緋縮緬(ひぢりめん)を まくりあげよう〳〵とゞく玉(たま)の門(かど)暗(くら)さに娘(むすめ)の顔(かほ)は見(み)えねとまだうい〳〵しくはづ かしがりもぢ〳〵するを片手(かたて)にて男(おとこ)はしつかりいだき〆(しめ)かた手(て)でそろ〳〵くぢりかけ口(くち) を吸(すふ)間(ま)も陰茎(へのこ)が待(まち)かね火(ひ)の如(ごと)くにおへかへり口(くち)も吸(すい)たしくぢりもしたし早(はや)く陰(への) 茎(こ)も入(い)れてみたしト三方(さんはう)一 度(ど)に心(こゝろ)せき口吸ながらくぢつた指(ゆび)をぬくよりはやくへのこ をあてがい気をせきぐつと押込(おしこめ)ば娘はいつそ痛(いたむ)と見え乗(の)り出る所(ところ)を抱(だき)すくめ 腰(こし)へ力(ちから)をいれあげて一トおしぬつとおすほどに根(ね)までしつくりはまつたり娘はハア アヽハア〳〵トこしをもじ〳〵受(うけ)かねるをあしらひ〳〵やわらかくいかにもしづかにつかふう ちしだいにうるほひ抜差(ぬきさし)もやゝゆるやかになりければ今はいたさに引かへてどこ ともなしに可愛(かあい)くなりフウ〳〵〳〵ト忍(しの)ひ泣(なき)男もかあいさ快(こゝろよ)さすかり〳〵トおこな ふに汗(あせ)かあらぬかびちよ〳〵ぬら〳〵そこらわけなくぬらつくあんばいへのこはいよ いよ開中(かいちう)にてふやけかへりてぬきさしに摺合(すれあふ)気味よさその度々(たび〳〵)淫水(いんすゐ)湧(わき)出あ ぶれいでふたりは夢中(むちう)に思はず知(し)らずこゑを出してアヽ〳〵〳〵アヽいく〳〵トもだへるはづ みに椽(えん)先(さき)の蛍(ほたる)かごをふみかへせば数多(おゝく)の蛍が一時にはつと飛散(とびち)る光(ひかり)に驚(おどろ)き飛のく ひやうしに大 陰茎(まら)がずぼりとぬけてづつきづき気のいきかゝつたふたりが淫水(いんすゐ)はづみを うつてどく〳〵〳〵ぬら〳〵〳〵トこゝろよくやり水ながるゝ庭(には)の面(おも)蛍は四方へ飛 去(さり)けり            常夏(とこなつ) なでしこのとこなつかしき色(いろ)を見ばいかなる偏屈(へんくつ)かたそうもいかで只(たゞ)にや見のがす べきましてや色の世(よ)の中(なか)に色 好(ごのみ)なるいろ男なつかしとも美(うつく)しともいわんかた なき仇(あだ)娘(むすめ)をおのが気まゝに囲置(かこひおき)明暮(あけくれ)手 活(いけ)と詠(ながむ)る事 是(これ)にましたる楽(たのしみ)なしト今(け) 日(ふ)も朝(あさ)から妾宅(しやうたく)に呑(のみ)かけしが頃(ころ)も炎暑(ゑんしよ)のことなれば水飯氷魚(すゐはんひを)にも喰(くひ)倦(あき)てさら ば此上は此 生(なま)がいを水がいにして賞翫(しやうくわん)せんト物好(ものずき)したる泉水(せんすい)へかけ作(づく)りの手摺にかの 仇娘を寄(よせ)かけて後の方よりすきやの帷子(かたびら)まくりあげまた日中(につちう)にもゆるが如(ごと)き緋(ひ) 縮緬(ぢりめん)の二布(ふたの)をぐつとかきのければ肌(はだ)のきよらさ玉(たま)のごとくなるにふつくりとした玉門(ぎよくもん) さかしまにほの見え空割(そらわれ)ほんのりと薄赤(うすあか)く少しうるほひをふくみたるありさまひたひ 際(きは)に行(きやう)義よくはへたる薄毛(うすげ)も真白(まつしろ)な肌(はだ)にうつくしく見えて何ともかともいわれぬ景 色(しき)いろ好(このみ)なる心には月 雪(ゆき)花はものかは紅葉(もみぢ)の錦(にしき)野辺(のべ)の千草(ちぐさ)もいかでか是につゞくべきト まづ指先(ゆびさき)にて空割(そらわれ)あたりをいぢり廻(まは)すに〽アレどうおしだへいつそはづかしいはやくどうかなさい なねへト目をとろりとした顔(かほ)ばせに男は惣身(そうみ)もとろけるばかりからだかぐにや〳〵なるとひと くへのこは木よりもかたくなりどつき〴〵とおへかへりかりはひらけてすさまじく太筋(ふとすぢ)張(はり)出し一 物(もつ) を羽二重(はぶたへ)の様(やう)な玉(ぎよく)門へゑしやくもなくあてがつてぬらり〳〵トこね廻せば女は鼻息(はないき)あらくしてや がてそつと手をのばしへのこをわが手にのぞませて程(ほど)よく開(ぼゝ)をおしつければ擂子木(すりこぎ)ほどな 大 陰茎(まら)がたちまちぬるりとはいりし工合(ぐあい)しつくりとしてゑもいはれず男は其 侭(まゝ)反(そり)身に なり己がへのこが美(うつく)しき開(ぼゝ)へすつぱり毛際(けぎは)迄(まで)はまつた所(ところ)を見ている心のたのしみさ一寸(ちよつと)はい かぬ酒まらなれば少しもせかず其まゝに入ひたしにしてたのしむを女はフウ〳〵スウ〳〵トいふにいわ れぬ美(うつく)しき顔(かほ)をしかめて〽アレなぜじつとしておいでだよわたしやアもうフン〳〵〳〵アレサはやくどう かしておくれよトおもいれ女に気をもませ程(ほど)よき所でずか〳〵―秘術(ひじゆつ)をいだしておこなへは女は ハア〳〵スウ〳〵しこしをもぢりてぬら〳〵〳〵気(き)をやる淫水(いんすゐ)ぬきあげた陰茎(へのこ)の棹(さを)へつたわりて根元(ねもと)の 方(かた)までぬる〳〵〳〵又(また)おし入(いれ)てぬき出(いだ)せば中(なか)の淫水(いんすゐ)へのこの棹(さほ)へべつたり付(つい)て出(いで)たるさま紫(むらさき)だちし 一物(いちもつ)がぬれ色(いろ)にひかりたち我(わが)ものながら気(き)がわるくいよ〳〵おへきり開中(かいちう)にて雁(かり)がひらけばぞ く〴〵とぬきさしするたび摺(すれ)わたり女(をんな)はたまらずハア〳〵もたれし手摺(てすり)へしがみ付(つき)開(ぼゝ)をへのこへ すりつけ〳〵毛(け)のはへぎは迄(まで)入(いれ)させて夢中(むちう)になつて気(き)をやればさすがの酒(さけ)陰茎(まら)たもちかね 〽ハア〳〵〳〵ト男(おとこ)なき喜悦(よがり)の鼻息(はないき)もろともに子宮(こつぼ)の奥(おく)へかたまつた淫水(いんすゐ)したゝかツウ〳〵〳〵ど つく〳〵どく〳〵にちや〳〵かあいさト気味(きみ)よさに煉(ねれ)かたまつた淫水(いんすゐ)をのこりなくすつぱり 出(いだ)しマヅ斯(かう)していて一(ひ)ト(と)休(やすみ)と女(をんな)を引寄(ひきよせ)ふり向(むか)せて美(うつ)しき口(くち)に口(くち)をさしよすれば女(をんな)も息(いき)の切(きれ)たる あげく男(おとこ)の口(くち)に吸付(すいつい)てチウ〳〵吸(すつ)たり吸(すは)れたり互(たがひ)に尽(つき)せぬ睦言(むつごと)は世(よ)にも楽(たの)しき身(み)の上(うへ)也けり           篝火(かゞりび) かゞり火(び)にたちそふ恋(こい)のけふりこそ世(よ)にはたへせぬ色(いろ)の道(みち)まづ十四五(こむすめ)の新開(あらばち)はいふに 及(およ)はず十六七は初花(はつはな)ざかり十七八が色(いろ)ざかり十九はたちが交合(とり)ざかり廿二三が喜悦(よがり)のさかり 廿四五より中年増(ちうどしま)情盛(なさけざかり)の本味(ほんあぢ)そなはり廿七八三十だい是(これ)らは功者(こうしや)させ上手(じやうづ)いづれ すたりはなき中(なか)にも中年増(ちうどしま)こそ誠(まこと)の美味(うまみ)とある男(おとこ)かねてより心(こゝろ)がけしに其(その)隣家(りんか)に 此程(このほど)しばらく逗留(とうりう)の女(をんな)あつらへ通(どほ)りにて少(すこ)しうは気(き)に見(み)えければとかくして言寄(いゝよる)に枇(び) 杷葉湯(わえうとう)かはしらねども手(て)もなく相談(さうだん)とゝのひて首尾(しゆび)を見合(みあはせ)庭先(にはさき)ににて先(まづ)よき 所(ところ)へつくばわせかた足(あし)あけさせ入(いれ)かけるつくばい交(どり)も功者(こうしや)と功者(こうしや)男(おとこ)はもとより喰(くひ)ざかりのそ の味(あじは)ひをためさん気(き)なればへのこの先(さき)にて開中(かいちう)をとつくりとかきさがすに中(なか)には鶏(とり)のとさか に似(に)ていとやわらかき肉(にく)多(おほ)くへのこをもてなすきみのよさ是(これ)はいかさまあらそはれぬト心(こゝろ) に思(おも)へば女(をんな)の方(はう)にもへのこをとつくりかみ〆(しめ)てさてもきみよき一物(いちもつ)かな第一(だいゝち)ふとく雁高(かりだか)で 筋(すぢ)が太(ふと)くていぼ〳〵だちこんなよいへのこの人(ひと)を亭主(ていしゆ)に持(もつ)たらよからうと互(たがひ)にしこたま 気(き)をやつて其(その)夜(よ)は其まゝ別(わか)れしが是(これ)が互(たがひ)のやみ付(つき)となりとう〳〵先(さき)よりもらひ受(うけ)何(なに) が上開(じやうかい)上(じやう)まらにてすれども〳〵倦色(あくいろ)なく中睦敷(なかむつましく)暮(くら)せしは誠(まこと)似(に)た者(もの)一対(いつゝい)の能(よき)夫婦(ふうふ)とぞ言(いゝ)あへり 浮世源氏(うきよげんじ)下の巻終