明治二十一年八月 製糖取締旧慣内法 那覇糖商組合事務所 明治二十一年八月 製糖取締旧慣内法 那覇糖商組合事務所 明治二十一年八月 製糖取締旧慣内法 那覇糖商組合事務所 製糖取締旧慣内法 一 砂糖取締ノ義ニ付テハ従来内法規約等モ有之其取締向厳重相立來候モ近來緩慢ニ流レ目前ノ小利ニ走リ往々粗製濫造或ハ賣買上ニ於テ那須爲スべカラザルノ好□ヲ爲シ遂ニ我縣下第一ノ物産タル砂糖ノ名聲ヲ失シ爲ニ糖業者ヘ無量ノ損失を與フル尼ニ付今般更ニ左ノ通リ旧慣内法ヲ改正シ縣□ノ認可ヲ經テ明治十八年ヨリ之ヲ施行ス 第一項 砂糖製造ノ義ニ付テハ毎度御論達ノ次第モ有之一同深ク御趣意ヲ遵奉シ一切地頭代惣耕作當等間切役ニ□掟ノ指揮に從ヒ村頭耕作當ハ勿論各與合共互ニ協同通知シ勉メテ精製之術ヲ公休講究シ専ラ聲價ヲ□殺セザランヿ【コト】ヲ要ス若シ其指揮ニ違フモノは相當ノ過料金ヲ徴ス 第二項 製糖中惣耕作業ハ各手配ヲ以テ毎日村々ヲ巡撿シ下地知方厳重可致候若等閑ノ義有之候ハ、《割書:五拾銭以上|四圓以下》ノ過料金ヲ徴ス 第三項 製糖中ハ間切内ヲ四區或ハ五區等適宜相定メ間切役々ノ内ニテ毎區一人ノ下知方受持ヲ定メ晝夜タイマン怠慢ナク巡撿監督スルモノトス依テ其區□□受持下知人ノ姓名等ハ豫テ所轄役所ヘ置クベシ若シ毎區受持下知人ニ於テ故ナク逼撿ヲナ□□□等怠慢ノ實蹟アル□ハ金《割書:五拾銭以上|五圓以下》ノ過料金ヲ徴スル□アルベシ 収したる上左の通り過料金を徴す  但事未遂に属すと雖も情に依り本業同様たるべし端砂糖賣買したるトキ  一砂糖主      壱斤ニ付金《割書:四銭以上|拾銭以下》  一掟        仝   金《割書:三銭以上|九銭以下》  一下知人      仝   金《割書:仝|仝》  一總代人      仝   金《割書:仝|仝》  一耕作當      仝   金《割書:仝|仝》  一奥頭       仝   金《割書:仝|仝》  一惣耕作當     仝   金《割書:仝|仝》 一樽以上賣買したるトキ  一砂糖主      壱挺ニ付金《割書:四圓以上|拾圓以下》  一掟        仝   金《割書:壹圓以上|五圓以下》  一下知人      仝   金《割書:仝|仝》  一總代人      仝   金《割書:貮圓以上|六圓以下》  一耕作當      仝   金《割書:仝|仝》  一奥頭       仝   金《割書:仝|仝》  一惣耕作當     仝   金《割書:五拾銭以上|壹圓五拾銭以下》 第八項 粗製濫造し又は納糖上無□延納不納等致候者は金《割書: 弍圓以上|拾圓以下》の過料金を徴す 第九項 間切内に住する者は一般相親み交互救授之義務あるものに付萬一不得止事故有之納糖上の延納或は不納等する者有之場合に於ては  一村又は間切中一同協議の上  時繰替上納し決して納糖分上不都合 無之様致すべし若し之に違背し無謂拒む者は金《割書:五圓以上|拾圓以下》の過料金を徴す 第十項 砂糖焼入樽は蓋底腹部の三ヶ所へ樽木目方件v査の烙印あるものに限るものとす而して砂糖樽詰の上は其腹部へ砂糖主は勿論焼入人檢見人掟は記名捺印するものとす若し之に違背するものは各金《割書:五銭以上|壹圓五拾銭以下》の過料金を徴す 第十一項 些細の利を得んが爲に三ヶ目繩等従来の制限《割書:壹斤| 五合》を超過すべからず若し違ふものは金《割書:拾銭以上|壹圓以下》の過料金を徴す 第十二項 製糖に奸曲の所爲有之節は砂糖主は金《割書:五圓以上|拾圓以下》焼入人檢見人は金《割書:弍圓以上|七圓以下》下知人掟は金《割書:壹圓五拾銭以上|五圓以下》惣耕作當は金《割書:壹圓以上|三圓以下》の過料金を徴す 第十三項 巡檢役其巡檢に當り前徴項の違反者を認め相當の□置をなさず□許に付したるものは各金《割書:壹圓以上|五円圓以下》の過料金を徴す 第十四項 此内法□項の違反者を告知する者へは其過料金高三分の一を當與するものとす 第十五項 没収金及過料金は申渡の日より十五日間以内完納せしむるものとす若し期限を經過し納めざるものは吏員立會の上相當の財産を差押ひ之れを公賣し過剰之れある節は返還し不足金は親戚及組合中より辨償せしむるものとす若し本人赤貧にして差押ゆべき財産無のものは其親戚又は組合中より辨償するものとす 第十六項 此内法に定む數項の違反者より徴收したる過料金は其三分の壹を違反人告知者に與へ其三分の二及没收金は其時の費用に充て  尚残余の分は間切へ積み置き糖業改良の費途に充て尚右改良に付格別の功労者ある□は奨励の爲め□労として其幾分を與ふるヿ【こと】あるべし本項積置金支□の場合に於ては其事由を具し所轄役所長の指揮を受たるものとす   但規品は公賣の上現金に換へ積み置くものとす 第十七項 此内法各項に定むる所の違反者有之節は間切吏員立會一同協議の上處分し其旨所轄の役所へ届出るものとす 第十八項 此内法に明文を掲けずと雖も砂糖取締上障□の件と認むるものは總て其時の協議に任せ相當の過料金を徴するヿ【こと】あるべし 第十九項 此内法は専ら糖業改良□貨物□し世上の信用を得しが爲め設たるものなれば之れを背くヿ【こと】數犯にして糖業者一般に不利を與ふるものは一時糖業を停止するヿ【こと】あるべし 第二十項 第七項に定むる禁賣買中□糖は勿論品位粗悪等にて間切に於て引除けたる分と雖も掟頭耕作當其員數取調惣耕作當或は下知人の檢査封印を受け適宜の場所へ格護致置解禁の月を待ち開封を得賣買にするものとす若し之れに違ふものは左の通り過料金を徴す既に其賣買に係るものは第七項に準し處分するものとす   一砂糖主は金《割書:拾銭以上|壹圓以下》   一掟は  金《割書:五銭以上|五拾圓以下》   一頭は  金《割書:仝|金 》   一耕作當は金《割書:仝|金 》 第廿一項 各村々にて製造しる砂糖高は一々帳簿へは其時々役所へ届 出るものとす   但製造高平素より多寡有之節は其事由を記入するものとす